全固体二次電池の「200℃動作」を実演、日本電気硝子:300℃のはんだリフローも可能
日本電気硝子は「BATTERY JAPAN 春 第20回」にて、全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池を200℃の高温環境下で使用するデモを紹介した。独自のパッケージと封止技術によって高い耐熱性を実現している。
日本電気硝子は「BATTERY JAPAN 春 第20回」(2026年3月17〜19日、東京ビッグサイト)にて、全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池を200℃の高温環境下で使用するデモを紹介した。
耐熱パッケージとガラス封止で過酷環境に対応
全固体二次電池は、液体電解質を用いないことで液漏れや発火リスクを抑え、高い安全性を実現していることが特徴だ。全固体二次電池には電解質に酸化物材料を用いたものと硫化物材料を用いたものがあり、硫化物系は空気中の水分と反応することによる有毒な硫化水素(H2S)の発生リスクがある。一方、日本電気硝子の製品は主要部材である正極/負極/固体電解質が全て酸化物材料で構成されていて、より安全性が高い。
さらに、同製品の最大の特徴は高い耐熱性だ。一般的な全固体電池はパッケージにアルミラミネートフィルム、パッケージ内の封止に樹脂を用いたものが多いが、日本電気硝子の耐熱仕様品は耐熱性の高い金属パッケージを用い、封止にガラスを用いることで耐熱性を高めている。使用温度範囲は−40〜+200℃。300℃のはんだリフロー処理も可能だ。ブースでは実際に200℃の高温環境で同製品を使用するデモを紹介した。
同製品(耐熱仕様品)の公称容量は4mAh、公称電圧は2.9V。現在、有償サンプル出荷を行っている。高温環境下や真空環境下でも使用できることから、高温になる装置内のモニタリングや、宇宙や海洋といった過酷な条件下での使用を想定する。
ブースでは参考として、A4サイズの大型電池やくぎを刺した状態の電池も展示した。
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