メモリ起点に後工程へ本格参入 半導体の総合材料メーカー目指すADEKA:新研究拠点を開設(1/2 ページ)
ADEKAは2026年7月2日、半導体材料の研究開発に特化した研究施設「半導体イノベーションセンター」(埼玉県久喜市)の本格稼働を開始した。世界シェア1位の先端メモリ向けALD材料のさらなる開発に加え研究領域を拡大し、ロジックや後工程も含む総合半導体材料メーカーを目指すという。
ADEKAは2026年7月2日、半導体材料の研究開発に特化した研究施設「半導体イノベーションセンター」(埼玉県久喜市)の本格稼働を開始した。地上7階建、延床面積1万1545m2の建物に、「ADEKAテクノロジーセンター東京」(東京都荒川区)にあった半導体材料開発研究所と、樹脂材料などを研究する「マテリアルソリューションセンター」(久喜市)の後工程関連の研究室を集約していて、研究開発エリアは従来比で2.7倍に拡張。クリーンルームも従来比2.5倍の850m2超に拡張した。
世界シェア1位のALD材料を起点に総合半導体材料メーカー目指す
同日となる2026年7月2日には半導体イノベーションセンターのメディア発表会が実施された。ADEKA代表取締役社長兼社長執行役員を務める城詰秀尊氏は「ADEKAの2025年度の営業利益は416億円で、10年前の2015年度(193億円)と比べて2倍以上に拡大した。その成長をけん引したのが半導体材料だ。10年後の2035年度には、半導体材料事業の営業利益を325億円にまで成長させて、全体利益の40%を占めるプロフィットセンターにしたい」と述べる。
城詰氏は「AIが半導体技術の進化を加速させ、デバイス開発にゲームチェンジが起きるのと同時に、材料でもゲームチェンジを迎えると考えている。デバイスの開発スピード加速に合わせて、材料開発のスピードも加速させなければならない」とする。「東京都荒川区にあった半導体材料開発研究所は手狭になっていて、研究員の増員も難しかった。新たに半導体イノベーションセンターを建設したことで研究員の増員や評価設備の拡充、研究機能や技術の集約などを実現し、研究体制を強化できる」(城詰氏)
現在、ADEKAが得意としているのがメモリ向けの原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)材料だ。メモリにおけるALDは、メモリのキャパシターに原子層レベルで緻密かつ均質な金属酸化膜を形成する技術で、電気を多く溜められるようにして、メモリ高容量化に貢献する。ADEKAは先端DRAM向けのALD材料で「世界1位のシェア」(ADEKA)を有するという。
半導体イノベーションセンターを活用し、得意とするALD成膜材料の研究領域を拡大するとともに、ロジックや後工程、パッケージングなど別領域の開発を加速し、全領域をカバーする総合半導体材料メーカーを目指す。「ADEKAは扱いが難しい有機金属錯体を自在に制御する合成技術と、トータルソリューションの提案力を強みに持つ。これまでは韓国の最先端メモリ向け材料開発が主だったが、今後、台湾には先端ロジック向け、米国には市場の変遷に応じた新しい材料の提供や開発を行うなど、展開を広げていく」(城詰氏)
クラス1000/100のクリーンルームなどで開発を加速
半導体イノベーションセンターは総工費約120億円をかけて建設されていて、1階に分析室、2階に会議室、3階にクリーンルーム、4階に執務室、5〜7階に実験室を有する。コンセプトの1つが「技術の融合」で、2〜4階にかけての階段と踊り場をオープンフロアとし、部門の垣根を超えた交流を促進する。2026年7月1日時点での研究人員は約150人だ。
850m2超のクリーンルームは約8割がクラス1000、約2割がクラス100になっている。ALD成膜装置をはじめとした製品評価機器を複数台設置し、先端材料開発を同時並行的、かつ迅速に進める設備を備えた。
「先端向け材料を提案するにあたって、開発品を提供するだけでなく、自社で実際に使って評価/解析まで行わなければスピーディーな相互開発や関係性構築はできない。顧客とやりとりしながら現場にフィットする材料を作っていくことが、これからの材料メーカーにとって大事だと考えているため、半導体イノベーションセンターによって具現化させていく」(城詰氏)
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