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「メモリはまだまだ足りない」 NASDAQ上場のSK、旺盛な投資意欲市場では警戒感も(1/2 ページ)

SK hynixは2026年7月、米NASDAQ市場に米預託証券(ADR)を上場した。SK hynixをはじめとするメモリメーカー大手3社は、生産能力拡大に向け、次々と大規模投資を発表している。市場には、AIインフラ投資のバブルを警戒する声もあるが、SK Group会長は、そうした懸念を一蹴する。

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企業価値は1.2兆ドルに

 韓国のメモリ半導体メーカーSK hynixは2026年7月10日(米国時間)、外国企業としては史上最大規模となる米国市場での株式売却を完了した。米NASDAQ市場に米国預託証券(ADR)として上場し、265億米ドルを調達している。

 この大きな注目を集めた上場では、取引き初日に株価が13%急騰し、企業価値は1兆2000億米ドルに達した。これによりSK hynixは、米国におけるかつてない規模の拡大戦略に投じるための重要な資金を調達したことになる。

 この複雑な金融的戦略をけん引しているのは、高性能メモリに対するAI分野の旺盛な需要だ。このため、世界の半導体メーカー各社は現在、数千億米ドル規模を投じて新たな生産能力を拡充しようとしている。

 SK hynixは、新たに調達した資本を、製造施設や高性能製造装置、重機などに直接投入していくという。このような資本注入は、メモリ市場における同社のリーダー的地位を強化する目的で設計された、1100兆韓国ウォン(約7330億米ドル)規模の中長期的企業投資ロードマップを直接支援することになる。


[クリックで拡大]出所:SK hynix

 同社のCEOであるKwak Noh-Jung氏は、このようなインフラプロジェクトの緊急性を強調し、「現在の供給不足と、急増する需要とが相まって、生産能力の拡大が非常に重要になっている」と述べる。また同氏は、技術情勢における構造的変化についても指摘しており、「AI業界はトレーニングの段階を超え、AIサービスが大規模導入される時代へと突入した」と主張する。

SamsungとMicronも大型投資

 SK hynixによる積極的な資本調達とインフラ拡大は、大規模な資本投資プロジェクトを独自に実行している主要な競合メーカー各社にとって、大きな圧力となっている。米国のMicron Technology(以下、Micron)は最近、国内製造設備への投資を加速させることを発表した。2035年までに2500億米ドル超を投じ、ニューヨーク州とアイダホ州の製造工場を支援していく予定だという。

 MicronのCEOであるSanjay Mehrotra氏は、このような拡充を歴史的に重要な取り組みとして位置付けている。同氏は「米国が建国250周年を迎える中、データ/メモリは現代経済の基盤となっている。Micronは、米国内での投資を2035年までに2500億米ドル超へと拡大し、こうした状況に対応していく。また世界的には、広島工場で93億米ドル規模の拡充計画に着手しており、2028年までに次世代DRAMや広帯域幅メモリ(HBM)の生産開始を目指している」と述べる。

 一方Samsung Electronics(以下、Samsung)も、独自の生産タイムラインを進めており、韓国平沢市にある「P4」製造工場を2026年後半までにフル生産体制に移行し、その後、「P5」工場を2030年までに段階的に拡充していく予定だという。業界では、「このような急激な拡充計画は、急速に進化する技術情勢の中で市場シェアを獲得するためには不可欠なものである」との見方で一致している。


メモリ大手3社の工場稼働計画[クリックで拡大] 出所:TrendForce

 市場観測筋によると、こうした市場全体に及ぶ拡充は基本的に、AIアプリケーションの爆発的な成長によるものだという。SiliconExpertのプリンシパソリューションズアーキテクトであるDwight Morse氏は、米国EE Timesとの電子メールのやりとりの中で「メモリ需要の背景にある主要なけん引要素は、AIだ。まずはモデルのトレーニングをサポートするHBMから始まり、トークンストレージ用のNAND型フラッシュメモリへと広がってきた。これらの工場は近い将来、フル稼働していくだろう」と述べている。

 こうした見解は、さまざまな業界観測筋の間でも繰り返し述べられ、レガシーハードウェア構成が急激に置き換えられつつあることを示している。SEMIの業界リサーチ/統計部門担当シニアディレクターを務めるClark Tseng氏は、EE Timesへの電子メールの中で「資本的支出は、市場の構造的な変化に直接対応するためのものだ。AI関連のメモリ需要は、新たな投資を促進するだけでなく、特にHBMやサーバストレージ向けに、既存および新しいメモリ生産能力の両方を(民生機器用の生産能力に比べ)かなりの割合で消費している」と語った。

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