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インタビュー

TSMCが日本に期待するもの グローバル戦略での役割を日本法人社長に聞く材料/装置メーカーとの連携から熊本工場まで(1/3 ページ)

AI需要の拡大を背景に、半導体市場は今後も成長が見込まれている。TSMCは、トランジスタの微細化に加え、先端パッケージングや光接続などの技術開発を加速している。こうした中、日本の設計、研究開発、生産拠点は、TSMCのグローバル戦略においてどのような役割を担うのか。TSMCジャパン 社長の小野寺誠氏に、AI時代の技術課題や日本企業との連携について聞いた。【修正あり】

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 TSMCは2026年7月3日、顧客向け技術イベント「TSMC 2026 Japan Technology Symposium」を開催した。同社は、世界半導体市場が2026年に1兆米ドルを超え、2030年には1兆5000億米ドル規模に達すると予測する。そのうち、AI/高性能コンピューティング(HPC)関連が55%を占める見通しだ。

 同イベントでは、2nm世代以降の先端プロセスや、2.5次元(2.5D)集積技術「CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)」、3次元(3D)集積技術「SoIC(System on Integrated Chips)」、シリコンフォトニクス技術「COUPE(Compact Universal Photonic Engine)」などのロードマップを紹介した。

 TSMCは日本においても設計、研究開発、生産の各機能を拡充している。1997年の日本法人設立当時、日本での年間売上高は約1億5000万米ドルだったが、2010年には6億米ドルを超え、2025年には48億米ドル以上に成長した。TSMCジャパン 社長の小野寺誠氏は、日本の拠点は国内の顧客だけでなく、世界の顧客を支える役割を担っていると強調する。TSMCのグローバル戦略において日本が果たす役割や、TSMCと日本の産業界との関係について、小野寺氏に聞いた。

【訂正:2026年8月7日15時45分 TSMCの売上高について「日本での年間売上高」と記載しておりましたが、正しくは「日本の顧客による年間売上高」でした。お詫びして訂正いたします。】

TSMCジャパン 社長 小野寺誠氏
TSMCジャパン 社長 小野寺誠氏

微細化/3D集積/光電融合でAI時代の要求に対応

――AI半導体の需要が拡大しています。今後5年程度を見据えて、半導体技術の進化で特に重要になる要素は何でしょうか。

小野寺氏 トランジスタ自体の微細化はもちろん、CoWoSやSoICのような集積技術の大規模化や高性能化も重要だ。また、COUPEのような光電融合技術の展開も進める。

 少し前までは、半導体の3D化や光接続は現在ほど現実的な技術ではなかったが、今はそうした技術へのニーズが非常に強くなっている。トランジスタの微細化、3D集積、光電融合など、さまざまな技術の開発を包括的かつ並行して進めなければ、求められるシステムを実現できない時代になっている。

――AIシステムやデータセンターの性能向上において、業界全体の最大の課題は何だとお考えですか。

小野寺氏 結局のところ、やはり電力だ。性能を高めれば消費電力が課題になる。一方で、高性能化への要求が止まることはない。その要求をいかに効率よく実現するかが、業界全体の課題であり、技術やビジネスの機会でもある。

 TSMCはチップを手掛ける企業なので、まずはチップ自体の省電力化を進める。実際にはそのチップがラックに搭載され、サーバとして使われることになるので、サーバ製造を手掛ける企業や電源関連の企業などともコミュニケーションを取っていく。最終的な顧客が必要とする技術を理解した上で開発し、提供する考えだ。

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