ドイツ人がエアコンを買い始めた 猛暑で膨らむ市場と中国勢の攻勢:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
熱波に襲われた欧州。エアコン需要が急速に高まる中、存在感を示しているのが中国メーカーです。
この記事は、2026年8月10日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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ドイツ人がエアコンを買い始めた 猛暑で膨らむ市場と中国勢の攻勢
最近、ドイツがとにかく暑いです。
「ことしは特に暑い」と毎年言っている気もするのですが、2026年の暑さはさすがに笑って済ませられるものではなくなりました。2026年6月下旬に欧州を襲った熱波によってドイツではいくつかの地域で40℃を超える猛暑を記録。ドイツの公衆衛生機関Robert Koch研究所によれば、この暑さによって6月22〜28日の1週間でドイツ国内で約9600人が死亡したと推定されています。もはや単なる「暑い夏」ではなく災害と呼ぶべき状況です。
そして、この暑さの中であらためて気付かされるのが、ドイツにはエアコンが驚くほど少ないことです。ドイツではもともと、一般家庭へのエアコン普及率が非常に低く、世論調査会社YouGovが2026年7月に実施した調査では、自宅にエアコンがあると回答したのは全体の17%だったそうです。
背景には、まず、そもそも夏が比較的涼しかったという気候条件があります。ただ、理由は気候だけではありません。日本では一般的な備え付け型エアコンは、室内機と室外機をつなぐために外壁への穴開けが必要であり、賃貸住宅では大家の許可を得る必要があるほか、専門業者による施工も必要でハードルが高いのです。また、集合住宅では室外機の騒音や建物の外観なども問題になります。
筆者の自宅にもエアコンはありません。そこで、まだ気温が低い早朝に窓を全開にして冷たい外気を取り込み、本格的に暑くなる前に全ての窓を閉め、シャッターも下ろして室温が上がるのを防いでいます。朝の「冷気」をどこまで保てるかの勝負です。これまでは、それでも何とか夏を乗り切れました。しかし最近は「さすがにエアコンがないとつらい」と思う日が増えてきました。
そんなドイツですが、近年の夏の気温上昇などを背景にエアコン需要は高まっていて、ルームエアコン(主にスプリット型)の販売台数は、2023年の約26万台から2025年には約32万台へと2割以上増加。そして2026年、記録的な熱波によってその動きが一段と加速していて、特にモバイルエアコンは2026年上半期だけで約38万7100台売れ、前年同期比130%増を記録したといいます(市場調査会社NIQ調べ)。これまでエアコンがあまり普及してこなかったドイツで、市場が大きく動き始めています。
中国2社でシェア50%以上を占める……
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