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インタビュー

「開発部門がなくても存在感を放つ日本」 テクトロニクス日本法人代表80周年を迎えたTektronix(2/3 ページ)

2026年に創立80周年を迎えた計測機器メーカーのTektronix。日本法人のテクトロニクスで代表取締役を務める瀬賀幸一氏に、計測機器のトレンドや日本での事業戦略、強みなどを聞いた。

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最先端の要求は少なくても裾野が広い日本

――日本では、どのオシロの引き合いが強いですか。

瀬賀氏 主力製品でもある「3シリーズMDO(ミックスド・ドメイン・オシロスコープ)」「4シリーズMSO(ミックスド・シグナル・オシロスコープ)」「5シリーズMSO」「6シリーズMSO」について、非常に多くの引き合いがある。具体的なシェアは非公開だが、多くのエンジニアに使っていただいている。

――2025年9月には低ノイズが特徴のフラグシップ製品「7シリーズDPO」を発表しました。日本において、7シリーズのビジネス機会はいかがですか。

瀬賀氏 これから導入が増えてくるだろう。ロボットなどの産業機器や医療機器など、あらゆる機器にAIが搭載されるようになれば、機器に搭載される通信規格も高速化していく。最新の通信規格を正しく測定するには、やはり最先端のオシロが必要になる。

 とはいえ日本は、最先端オシロの導入時期という意味では、グローバルで見るとやや遅い。建設機械など、最先端オシロはまだ必要ない機器の開発も多いからだ。それ故、アプリケーションの裾野が広く、成熟したシリーズのオシロも多数使われる傾向にある。最先端オシロが必要になる高性能なアプリケーションは、バブルが起こる可能性も高いので、日本のように裾野が広いマーケットは、オシロを長く使ってもらう意味でも重要だと考えている。

7シリーズDPOの外観
7シリーズDPOの外観。2025年9月の説明会でEE Times Japanが撮影[クリックで拡大]

――日本での戦略についてお聞かせください。

瀬賀氏 パワー半導体などのパワー分野と、データコム分野の2つを狙う。

 パワー分野に向けては、従来シリーズのオシロや、EA Elektro-Automatikブランドのプログラマブル電源などの提案を強化する。パワー市場は規模が大きいので、ビジネス機会を確実に捉える。この分野では消費電力や電力効率の測定が重要になるので、われわれが強みを持つ高性能プローブ「IsoVu(アイソビュー)」と組み合わせて提案する。

 データコムでは、DDR4/LPDDR4、PCI Express(PCIe) Gen 3/4/5の信号解析向けオシロの拡販に力を入れる。加えて、次世代以降の最新規格についても対応する製品も準備する。

日本の顧客は「突き抜けている」

――日本法人に開発部門はありませんが、Tektronixにおいて日本市場および日本法人は、どのような位置付けになりますか。

瀬賀氏 確かにハードの開発部門は日本にはないが、日本の顧客の声というのは米国本社からも期待されている。日本に限らず、現地法人の役割はローカルの顧客の声を聞き、どのような製品が求められているかをしっかり探ることだ。それを企画部門や開発部門に伝えて製品に反映させていく。それが、テクトロニクスのような直販(直接販売)メーカーのあるべき姿だ。その意味でも日本法人の役割は重要だと考えている。

 特に、日本のエンジニアは特定の領域で突き抜けている部分がある。そういった技術者の声を聞き、Tektronixの将来の方向性や戦略を決めていく。それは、最終的に顧客をサポートすることにもつながっていく。

――日本市場は変わらず重要ということですね。

瀬賀氏 ソフトの開発は、日本でも小規模ながら手掛けている。日本の顧客の要望に合わせて、われわれが開発したソフトが、ハード(オシロ)に搭載されるというケースもある。例えばDDR解析用のソフトは、日本のエンジニアが日本向けに開発したものだったが、それが最終的に、グローバルで提供されるオシロに組み込まれるようになった。

 実はIsoVuの販売量も、日本法人が突出していた。ある用途で爆発的にヒットし、それが数年遅れで他の国/地域に広がった。ある意味、日本がIsoVu販売のビジネスモデルを作ったと言ってよいだろう。他国/地域で同様に展開していったことで、IsoVuの販売が海外でも伸びた。開発部門はなくとも、日本市場の存在は大きい。

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