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中国YMTCがIPOへ AI需要で変わるNAND戦略CXMTの大型IPOに続き(1/2 ページ)

中国のNAND型フラッシュメモリメーカーであるYMTCが、中国・上海証券取引所(STAR市場)でのIPO(新規株式公開)に向け準備を進めている。AI市場の急成長で、エンタープライズ向けSSDの需要が高まる中、YMTCは戦略の変更も迫られている。

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 中国最大のDRAMメーカーであるCXMT(長鑫存儲)と並び中国メモリ業界の双璧をなすYMTC(長江存儲科技)は、AI時代のメモリチップ不足に乗じて、世界のトップメモリメーカーとしての地位を戦略的に確立すべく、CXMTに続きIPO(新規株式公開)への道を歩んでいる。DRAMと広帯域幅メモリ(HBM)に特化したCXMTとは異なり、YMTCはNAND型フラッシュメモリに注力している。

 CXMTとYMTCは、急速に台頭している中国の半導体市場において「2つの“長”」と呼ばれることもある。CXMTが100億米ドル近くを調達した2026年7月の大型IPOに続き、YMTCも上海証券取引所のSTAR市場への上場に向け、正式なIPO準備を開始した。同社はIPO前のアドバイザリープロセスを完了し、中国のA株市場への上場に一歩近づいた。

 2016年7月に湖北省武漢市で設立されたYMTCは現在、Samsung ElectronicsとSK hynixに次ぐ世界第3位のNANDフラッシュサプライヤーとなっている。市場調査会社Counterpoint Researchによると、YMTCは2026年第2四半期の世界NANDフラッシュメモリ出荷量の14%を占め、キオクシア、Micron Technology(以下、Micron)、SanDiskを上回った。

 Counterpointは、YMTCが独自の「Xtacking 4.0」アーキテクチャを基にした267層の3次元(3D) NANDチップの量産を開始したことも報じている。これは単なる層数の達成にとどまらず、アーキテクチャとプロセス制御の進歩を反映している。さらに、YMTCは現在、300層を超えるNANDフラッシュの開発を進めているという。

「Xtacking 4.0」を用いた3D NANDフラッシュメモリ 出所:YMTC
「Xtacking 4.0」を用いた3D NANDフラッシュメモリ[クリックで拡大] 出所:YMTC

 注目すべきは、2026年第2四半期のYMTCのNANDフラッシュ出荷量が、日本のキオクシアを初めて上回ったことだ。しかし、NANDフラッシュの売上高では、YMTCは依然として5位にとどまり、キオクシアとMicronの後塵を拝している。この2社は、出荷ビット数がYMTCより少ないにもかかわらず、売上高ではYMTCを上回り続けている。これは、出荷ビット数が増えたからといって、必ずしも収益が増えるわけではないためである。

 こうした理由から、YMTCのファブにはより高度な製造設備が必要であり、IPOで調達した資金は間違いなくこの分野に投じる資金の強化につながるとみられる。しかし、同社はCXMTと同様に、2022年から米国商務省のエンティティリストに掲載されており、最先端のリソグラフィ装置へのアクセスが困難になっている。

YMTCは工場拡張も急いでいる 出所:YMTC
YMTCは工場拡張も急いでいる 出所:YMTC

民生向けが多いYMTC

 YMTCが直面するもう1つの課題は、NAND製品の構成がノートPCやスマートフォンなどのコンシューマー向けアプリケーションに集中しており、データセンターで使用される高価格なエンタープライズ向けSSDへの展開が限られていることだ。Counterpointによると、2026年第2四半期の世界のNAND出荷ビット数のうち、エンタープライズSSDは48%を占めており、前年の26%からほぼ倍増しているという。この点を踏まえると、これは非常に危機的な問題である。

 AIのワークロードがトレーニングから推論へと移行するにつれ、大規模なデータセットやKV(Key-Value)キャッシュへの高速アクセスが必要となるため、2026年末までにサーバがNANDフラッシュの全ビット数の半分以上を消費すると予想されている。大容量のエンタープライズ向けストレージの価値はますます高まっている。YMTCはこの推論主導のシフトを認識していて、2026年下半期にはNANDフラッシュ製品構成におけるエンタープライズ向けSSDの割合を増やす計画だ。

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