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データセンターの立地は都市から郊外へ、放熱は空冷から液冷へ(前編)福田昭のデバイス通信(523) 2026年度版実装技術ロードマップ(6)(1/2 ページ)

「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズ。今回は「2.2.1.2 データセンター」の概要について、前後編で説明する。

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「2.2.1.2 データセンター」の概要を説明

 電子情報技術産業協会(JEITA)が2026年6月に発行した「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズの第6回である。報告のベースは、2026年6月9日に開催された完成報告会(注:報告会の撮影および録音は禁止)の講演スライドだ。ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(JJTRC:Japan Jisso Technology Roadmap Council)のご協力を得て講演スライドの一部を掲載している。この場を借りて同委員会の皆さまに深く感謝したい。


「2026年度版 実装技術ロードマップ」の目次。同ロードマップ(PDF版)の購入サイトから抜粋したもの。[クリックで拡大]

 シリーズの前々回(第4回)では、「第2章 注目される市場と電子機器群」の第2章第2節「2.2 情報通信」の概要説明を始めた。「2.2 情報通信」は、「2.2.1 コンピューティングの分類および動向」と「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」に大別される。


「第2章第2節(2.2) 情報通信」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)

 「2.2.1 コンピューティングの分類および動向」は序文と、「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」「2.2.1.2 データセンター」「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」で構成される。「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」は、「2.2.2.1 モバイルデバイス」「2.2.2.2 メタバースデバイス」「2.2.2.3 5Gミリ波、6G実装動向」に分かれる。

 前々回では「2.2.1」の序文に相当する部分の概要を述べた。そして前回(第5回)は、「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」の概要を報告した。続く今回は「2.2.1.2 データセンター」の概要をご説明する。

都市型データセンターから郊外型データセンターへ

 「2.2.1.2 データセンター」は、(1)〜(8)の8つの項目から成る。環境変化、市場動向、電力消費動向、冷却・放熱技術、通信とレイテンシ、立地条件などを扱う。


「2.2.1.2 データセンター」」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)

 データセンターは従来、サーバの集積施設を総称していた。最近ではクラウドやエンタープライズ、ハイパースケールなどの情報社会インフラを支える重要施設となっている。データの処理(プロセッシング)と保存(ストレージ)を担っており、用途別に多種多彩な規模のデータセンターが世界中で稼働中である。

 大規模なデータセンターを構築するためは、電力と冷却、通信、立地の制約条件が存在する。電力では大電力の安定供給、冷却では適切な放熱技術の確保、通信では高速かつ大容量で安定な低遅延回線が求められる。立地では電力と冷却、通信の条件を満たしつつ、自然災害リスクの低い土地を選択しなければならない。


データセンターの役割と制約要因[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会

 日本では電力事情と通信事情の条件から、商用データセンターは需要地(企業顧客の集中地域)に近い首都圏ないし大都市圏で整備されてきた。「都市型データセンター」と呼ばれる。最近では土地制約の顕在化により、都市型データセンターの新規整備が難しくなりつつある。そこで大都市圏から一定の距離をおいた「郊外型データセンター」が、従来の役割である「都市型データセンターの補完」(バックエンド)役だけではなく、将来に向けた大規模データセンターとして再評価されている。

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