半導体設計を2週間で 20歳CEOの米新興がAIで挑む:「誰もがカスタムチップを設計可能に」(1/3 ページ)
米新興Architect Labsは、AIを活用してカスタムチップの設計/検証を高速化するプラットフォームを開発している。共同創業者兼CEOのEbrahim Hussain氏は、試作チップ「Redwood」によって、アイデアから概念実証まで2週間で進められることを示したとする。同社は従来のEDAプロセスの大部分を迂回する独自手法で、半導体設計の期間短縮を目指す。
米国カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くスタートアップArchitect Labsの共同創業者兼CEOであるEbrahim Hussain氏は、米国EE Timesの独占インタビューの中で、「われわれは、誰もがカスタムチップを設計できるプラットフォームを構築している」と述べた。同社はその主張を裏付けるように、FPGA上で試作チップ「Redwood」を記録的な速さで構築したという。
Hussain氏は「Redwoodは、このフローが機能することを示す最初の実証例だ。われわれは実際に、アイデアの段階から少なくとも概念実証(PoC)まで2週間で進められる。これより短縮するのは難しいだろう」と述べている。
このスピードには、ファウンドリーで製造する最初のテストチップ、いわゆる「A0」シリコンでの成功も含まれる。Architect Labsは、TSMCのウエハーシャトルサービスを利用していて、複数のチップ設計で1つのマスクセットと1回の製造ロットを共有できる。
Hussain氏は「複雑なA0シリコンを初回で成功させることは非常に難しくなってきている。われわれは、半導体企業の開発を迅速化すると同時に、開発の品質も高められるよう支援したい。最終目標は、当社のパートナー企業がA0をそのまま量産に移行できるようにすることだ」と述べている。
CEOは20歳、AppleとTeslaを経て創業
同氏は現在20歳。飛び級でカナダのブリティッシュコロンビア大学に進学し、工学物理学を学んだ。その後、半導体設計者としてAppleやTeslaで短期間勤務し、2025年には米スタンフォード大学の客員研究員となった。そして同年7月、現在19歳のAaditya Subedi氏と共にArchitect Labsを創業した。Subedi氏は現在、機械学習やハードウェア/ソフトウェアエンジニアリングなどを手掛ける25人のチームを率いていて、その中には20〜30年の経験を持つ半導体分野のベテランも含まれるという。
Hussain氏は「私はAppleで働き、Teslaでも働いた。アーキテクチャチームに所属し、設計サイクルが実際にどれほど長いのかを目の当たりにした。AIは半導体設計サイクルに大きな影響を及ぼすことになるだろうと思っていたが、それと同時に、多くの人が取っていたAI活用のアプローチは、それほど効果的ではないように見えた。それほど大きな変化を起こせるようには思えなかったのだ」と述べている。
Architect Labsによると、同社の技術を使えば、ユーザーがAIシステムに入力するだけで、そのシステムがチップの設計/検証を担えるようになるという。
Hussain氏は「ファームウェアスタックや、ソフトウェアがチップとどのように相互作用するのかをテストできる。これは、従来の検証フローとは全く異なるアプローチだ。Redwoodはわれわれにとって、この検証手法が大規模な設計にも対応でき、複雑なチップを構築できることを示す最初のテストだ」と述べている。
Architect LabsはRedwood向けに社内で回路ブロック/IP(Intellectual Property)を開発し、それらを独自の学習データとして使って、モデルを再帰的に改善している。
同社は、モデル開発において、最先端モデルとの主要な比較対象としてAnthropicの「Claude Opus 4.6」を採用した。
Hussain氏は「今後、当社のモデルがどのようにして、その時点の最先端モデルの性能を実際に上回るまでに至ったのかについて、記事を公開する予定だ。非常に楽しみだ」と述べている。
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