「日本は弱くない」 AI時代、再び経済成長するための鍵とは:マッキンゼーが提唱(1/2 ページ)
米McKinsey&Company(以下、McKinsey)の日本法人であるマッキンゼーアンドカンパニージャパン(以下、マッキンゼー)は、最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」を発表した。メディア向け説明会では、日本が再び経済成長するために必要なことや、注目業界の所見などを解説した。
米McKinsey&Company(以下、McKinsey)の日本法人であるマッキンゼーアンドカンパニージャパン(以下、マッキンゼー)は2026年9月30日、最新レポート「新時代の日本へ:躍動と成長に向けた競争力の再構築」を発表した。同日にメディア向け説明会を開催し、マッキンゼーの考える日本が成長するための戦略などを解説した。
AI時代で日本が成長するには企業の新陳代謝が必要
マッキンゼー代表でシニアパートナーの岩谷直幸氏は「日本の企業には世界に誇れる技術や人材、顧客基盤、誠実さなど、文化面も含めて多くの強みがある。変化の大きい世の中で、強みをいかに国や企業の成長につなげていけるかが大事になってくるため、レポートを執筆した」と述べる。
1925年頃からの約100年で見ると、日本の1人当たり国内総生産(GDP)の伸び率は約11倍と驚異的な経済成長を遂げているが、1990〜2025年の直近35年間では年平均成長率(CAGR)0.8%と、停滞している状況だ。
McKinseyの経済研究機関で国際マクロ経済を統括していたJeongmin Seong氏は「例えばポーランドは、2027〜2028年に1人当たりGDPで日本を上回ると予測されている。社会インフラなどの劣化もあり、現状維持は、実質的に後退の選択肢だ」とする。
「世界は数十年ごとに時代が変わる。1990〜2010年代は市場の時代だったが、2020年から地政学/AIの時代に突入した。さまざまなルールも書き換わるこのタイミングは、日本にとってチャンスでもある」(Seong氏)
生産力向上の主なドライバーは生産性と人口の2つだが、日本の人口は減少傾向にあるため、生産性の向上が求められる。しかし日本の場合、一部の企業が生産性向上に寄与する一方、マイナス影響を与える企業も多く、結果的に生産性も停滞している。「日本の生産性向上の鍵は企業の新陳代謝で、そのためにはダイナミックな投資が必要だ」とSeong氏は述べる。
投資に当たっては「グローバル成長アリーナ」「日本にとっての重要性/経済安全保障」「日本が強みを持つアリーナ」の3つの視点から評価する。これら全てが重なる戦略投資分野として、半導体、バッテリー、ロボティクス、原子力発電の4領域を挙げる。
また岩谷氏は、日本企業の成長モデルを再構築するためのマインドシフトのアイデアとして「国内の業界再編を通じた戦略的ポジションの確立」「世界の経営資源を取り込むグローバルモデルへの転換」「中小企業を含めたAI/フィジカルAI活用による生産力の向上」「課題解決型スタートアップを連続的に育む企業エコシステムの構築」「新陳代謝と長期的価値創造を両立するガバナンス」の5つを挙げた。
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