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宅内AV機器の無線接続、WirelessHDとWHDIが激突か無線通信技術 ミリ波(2/2 ページ)

無線機能を搭載したテレビ受像機が、複数のメーカーから続々と製品化されている。しかし、各社が採用する無線通信方式は一本化されていない。どの方式が将来主流になるのかは、混沌(こんとん)とした状況だ。

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WHDIは認証試験を策定中

 一方のWHDI方式に関しては、現在コンソーシアムの作業部会で規格策定が進められており、2008年末までに完成する見込みである。さらに、「認証試験の策定作業を、近々開始する」(イスラエルAMIMON社のChairman & CEOを務めるYoav Nissan-Cohen氏)という。現在、WHDIコンソーシアムには、コンソーシアムの運営に関する作業部会と、規格策定を進める技術部会がある。これに加えて新たに、認証試験を策定する作業部会を立ち上げる。2009年中ごろには認証試験を開始する予定で、「2009年下半期には、WHDIロゴが付いたAV機器が市場に登場するだろう」(同氏)とする。

 WHDI規格は、AMIMON社の独自方式を基にした内容になるようだ。同氏は、この独自方式を「WHDI規格のプリスタンダード(pre-standard)」と説明する。すなわち、現在策定中のWHDI規格のPHY層とMAC層の95%の部分は、この独自方式を踏襲する。

 規格に新たに盛り込む主な部分は、機器間の認証や制御に関するプロトコルで、アプリケーション層のAVC(Audio Video Control)に関するもののようだ。AVCプロトコルの策定に向けた同社の考えは明確である。ほとんど機能をマンダトリ(必須項目)にするという。機器メーカーが独自に盛り込めるオプション機能は極力少なくする。「マンダトリとオプションの機能の切り分けは大変難しい。しかし、AV機器メーカーにユーザーを囲い込ませないで『開放』させるという基本方針で規格を策定したい。ユーザーには、機器を自由に選びやすくなるというメリットがある」(同氏)。

 AMIMON社は、WHDI規格に向けた半導体チップのサンプル出荷を2009年第1四半期に始める。この品種では、1080p(1920×1080画素)で60フレーム/秒のHD映像を処理できるようにする。量産は、同年第2四半期に開始する予定だ。

大手メーカーが新たに参画

 両コンソーシアムとも、参画企業を増やす動きを活発化させている。WHDIコンソーシアムには、大手の機器メーカーがプロモータ企業として、近々参画する予定である。AMIMON社のYoav NissanCohen氏が明らかにした。また同コンソーシアムは、規格策定後にメンバー企業の募集を開始する。

 一方のWirelessHDコンソーシアムには、米Broadcom社がプロモータ企業として新たに参画した。同コンソーシアムのJohn Marshall氏は、同社が参画した意義について、2つ説明した。1つは、機器メーカーにとって、半導体チップ・ベンダーの選択肢が増えること。もう1つは、「加入可能な業界団体にさまざまな選択肢があった状況で、民生分野の無線チップに強みを持つ同社がWirelessHDコンソーシアムに加入したことは、当コンソーシアムの優位性を裏付けるもの」(同氏)という点である。

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