(続報)ルネサスが那珂工場の生産再開をさらに前倒し、製品の市場供給は10月末までに被災前のレベルに:ビジネスニュース 震災復興
7月にはウエハー投入ベースで震災前のレベルに復旧する予定。代替生産品も4月から市場に供給しており、那珂工場の生産が再開することで、10月末には震災前と同等量の製品を供給できるようになる見通しだ。
ルネサス エレクトロニクスは2011年5月11日、東日本大震災の影響を受けた那珂工場(茨城県ひたちなか市)の復旧状況に関する最新情報を発表した。同工場の200mmラインと300mmラインの生産再開を以前の計画よりも前倒しするとともに、代替生産の活用も進める。これにより2011年10月末までには、被災前の那珂工場の供給レベルに相当する製品を市場に供給できるようになる見込みだ。同社は2011年4月22日に那珂工場の生産再開に向けた計画を発表した際に、「両ラインの製品の供給レベルが復旧する時期については、5月中旬にあらためて発表する」としていた(参考記事:ルネサスが那珂の200mmラインで生産再開を前倒し、外部ファウンドリ利用の代替生産計画も策定)。
那珂工場は、半導体前工程を受け持ち、200mmと300mmの生産ラインを備える。被災前は、ルネサス エレクトロニクスが供給するマイコン/システムLSIの2割弱、アナログ/パワー半導体の1割弱を生産していた。
今回発表した最新情報によると、200mmラインについては2011年6月1日に生産を再開するめどが付いた。当初は6月15日に予定していたが、4月23日から実施した試験生産を前倒しで進めることができたという。300mmラインについては、6月6日に生産を再開する予定だ。「製造設備の修理などに一定のめどが付き、当初予定の7月から大幅に前倒しできた」(ルネサス エレクトロニクス)。両ラインともに、7月下旬にはウエハー投入ベースで被災前のレベルまで復旧できる予定である。
代替生産については、前回の発表と同様に、「ルネサスグループ内の他工場と外部の半導体ファウンドリを利用する」(同社)と説明しており、すでに4月から代替生産品を市場に供給しているという。那珂工場で前工程を処理したウエハーについては、8月末以降に順次、製品として出荷を始める予定だ。これらを合わせると、製品出荷量は10月末までに震災前の那珂工場の供給レベルまで復旧する見込みである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.