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日本TIが圧電素子用のドライバICを発表、 触覚フィードバック機能が低コストで実現可能にTECHNO-FRONTIER 2011

日本TIは、高耐圧プロセスを用いた圧電素子向けのドライバICを発表した。従来比で約半分の基板面積/コストで、触覚フィードバックを実現できる。

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「TECHNO-FRONTIER 2011」記事一覧

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20日〜22日、東京ビッグサイト)において、タッチパネルなどで「触覚フィードバック」(ボタンなどを押した感覚)機能を実装する際に用いる圧電素子向けのドライバIC「DRV8662」のデモンストレーションを行った(図1)。

 タッチパネルに触れたときの「クリック感」を伝える触覚フィードバック機能を実現する際に、アクチュエータとして用いられているのがモーターと圧電素子である。日本TIは、「現在の主流はモーターを利用する手法だ。この手法は、駆動電圧が低く、電池で駆動できるという利点はあるものの、触ってから反応が返ってくるまでの時間(反応時間)が30ms〜50msと長い。一方で、圧電素子を用いる手法は、反応時間が約1ms以下と短いが、150V〜200Vの駆動電圧が必要になる(単層圧電素子を用いた場合)。既存の圧電素子用ドライバICは、高い駆動電圧を得るために外付けのトランスが必要なので、基板面積が大きくなるし、コストも高くつく。そのため、圧電素子を触覚フィードバック機能に利用したくても、あきらめていた設計者が多かった」と述べる。

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図1 「DRV8662」を用いた触覚フィードバック機能のデモ タッチパネルを利用した、ギターを弾くゲーム。実際に弦をはじいているような触覚が得られた。

 DRV8662は、そうした課題を解決するために開発された。一般的に、圧電素子を用いた既存の触覚フィードバック機能は、圧電素子用ドライバIC、外付けのトランス、FET、ダイオードで構成される。基板面積は200mm2ほどになる場合もある。一方、DRV8662は昇圧型DC-DCコンバータ、FET、ダイオードを内蔵していることに加えて、独自の高耐圧プロセスを用いていることから最大200Vの電圧を出力することができる。このため、既存の手法で必要だったトランスが不要になる。基板面積は、既存の構成の約50%となる100mm2程度まで低減できる。さらに、ICと周辺部品を含めたコストも、従来の約60%までに抑えられるとしている。

 DRV8662の電源電圧範囲は3.0V〜5.5V。外形寸法が4.0mm×4.0mmの20端子QFNで供給される。1000個購入時の参考単価は1.75米ドルとなっている。

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