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ルネサスが新たな事業方針を発表、SoC事業は「製品開発サイクルの短い市場から撤退」へビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)

ルネサスの新たな事業方針では、マイコンとアナログ&パワー半導体の両事業に注力し、SoC事業は民生用機器向けからの撤退を含めさらなる選択と集中を図ることとなった。また、2011年度の売上高については、上期が東日本大震災の影響で落ち込むものの、下期は前年度並みに回復する見込みだ。

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2011年度の下期は黒字に

 事業方針説明の前に、2011年度(2012年3月期)第1四半期の決算と通期の業績予想が発表された。

 ルネサスの第1四半期の業績は、主力工場である那珂工場(茨城県ひたちなか市)の長期の操業停止をはじめ、東日本大震災による影響を大きく受けた。全社売上高は直近の前四半期(2010年度第4四半期)比25%減の2072億円、半導体売上高は同26%減の1840億円と大幅に減少した。半導体売上高を事業別に見ると、マイコン事業が同19%減の772億円、A&P事業が同18%減の629億円、SoC事業が同44%減の330億円となった。

 654億円にのぼる半導体売上高の減少額のうち、工場の操業停止による影響が約300億円を占める。また、東日本大震災の影響で部品調達が滞った国内自動車メーカーの生産調整により、車載半導体の需要が大幅に落ち込んだ。さらに、携帯電話機や民生用機器向けのSoCの需要が急減したことも追い打ちをかけた。

 売上高の減少により損益も悪化した。営業損益は同295億円悪化の191億円の損失、経常損益は同280億円悪化の203億円の損失、純損益は同230億円改善の332億円の損失となった。今期の純損益には、那珂工場における操業休止の固定費を中心とする特別損失が119億円計上されている。

 2011年度の通期業績については、全社売上高が前年度比10%減の1兆190億円、半導体売上高が同11%減の9080億円、営業損益が同425億円悪化の280億円の損失、経常損益が同380億円悪化の370億円の損失、純損益が同750億円改善の400億円の損失と予想している。第2四半期の半導体売上高は、東日本大震災の影響が残るものの前四半期比22%増の約2240億円となる見込み。2011年度の下期については、自動車メーカーの生産量の回復や震災からの復興需要により、2010年度下期並みとなる約5000億円の半導体売上高を確保できる見通し(図5)。下期の損益についても、営業損益、経常損益、純損益とも黒字を確保できるもようだ。

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図5 2011年度各四半期の半導体売上高の見通し(提供:ルネサス エレクトロニクス)

 また、那珂工場の復旧が、2011年6月10日発表時点よりもさらに進展していることが明らかになった。同年9月末時点における那珂工場の生産品目の供給量は、地震発生前を約10%上回るレベルに達する見通しだ。この時点で、那珂工場の生産再開品の出荷量は、地震発生前の約50%まで回復しており、これにルネサスグループの工場やファウンドリでの代替生産品が加わることとなる。

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