2011年Q2のPC市場、中国が米国を抜き首位に躍進:ビジネスニュース アナリストリポート
2011年第2四半期におけるPCの出荷台数は、中国が米国を抜き、トップに躍り出た。ただし、年間ベースでは2011年も米国が首位を維持するという。
米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)は2011年8月、同年第2四半期において、中国のPC出荷台数が米国を上回ったと発表した。これにより、中国は世界最大のPC市場となったという。
IDCによると、2011年第2四半期に中国で出荷されたPCは約1850万台で、売上高は119億米ドルに上るという。一方、同四半期における米国のPC出荷台数は1770万台で、売上高は117億米ドルだった。世界出荷台数で見ると、中国の市場シェアは22%で、米国が21%だったという(図1)。
PC市場では、2011〜2012年の間に中国が首位に躍進するという見方が広まっていた。しかし、IDCはこうした予想に反し、年間ベースでは2011年も米国が首位にとどまると予想する。同社は、「2011年におけるPC出荷台数は、米国が7350万台で、中国は7240万台になる」と予測している。
IDCは、「中国のPC市場は、2011年第3四半期の夏商戦以降は鈍化すると予想される。一方、米国は2011年第4四半期のホリデーシーズンも好調な売り上げが続くとみられることから、2011年は米国が中国を抑えて首位を維持する」と見込んでいる。ただし、2012年には、中国が年間出荷台数で米国を上回り、首位に躍り出るという。「2012年のPC出荷台数は、中国が8520万台で、米国が7660万台となる」と同社は予測する。
また、IDCでWorldwide PC Tracker Program部門のバイスプレジデントを務めるLoren Loverde氏は、「2011年第2四半期のPC市場でみられた中国の躍進は、新興国の成長と、比較的成熟した地域の低迷とが反映された結果であり、PC市場にとって大きな転換点となるだろう」と述べている。
Loverde氏は、「中国が2011年第2四半期のPC市場で首位に立った背景には、欧米の経済状況の悪化がある。中国が米国を抜いて世界最大のPC市場になるという見方が増えたのも、同じ理由だ」と解説している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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