挿し込むだけでワイヤレスデジカメに、東芝がWi-Fi搭載のSDHCメモリカードを発売:無線通信技術 Wi-Fi
東芝は、無線LAN機能を搭載したSDHCメモリカード「FlashAir」を開発し、2012年2月に販売を開始する。FlashAirに対応したデジタルカメラ間であれば、このメモリカードを両者に挿し込むことで、PCを介さずに直接ワイヤレスで画像をやりとりできる。
東芝は、無線LAN機能を搭載したSDHCメモリカード「FlashAir」を開発し、2012年2月に販売を開始する(図1)。
FlashAirは、NAND型フラッシュメモリの他に、無線LAN規格「IEEE 802.11 b/g/n」に対応した無線通信回路を搭載したメモリカードである。FlashAirに対応したデジタルカメラ間であれば、このメモリカードを両者に挿し込むことで、PCを介さずに直接、ワイヤレスで画像をやりとりできる。この他、デジタルカメラからクラウドサービスに直接データをアップロード/ダウンロードしたり、PCやスマートフォンの画面上でデジタルカメラの画像データを閲覧したり、移動したりできる。
無線伝送速度は、周囲環境にも依存するものの、最大10Mビット/秒。伝送距離は、数m〜10mである。「デジタルカメラで撮影した画像を交換する機会が増えている。これに伴って、簡単に画像データをやりとりしたいというニーズが高まっている。このようなニーズに応える製品だ」(東芝)。2012年2月に発売する品種のメモリ容量は8Gバイト、「WEP」や「TKIP」、「AES」といったセキュリティ機能に対応する。
スマートフォンからデジタルカメラの画像データを閲覧したり、デジタルカメラからのデータ移動を制御したりするスマートフォンアプリを今後開発し、提供することを計画している。
SDアソシエーションで標準規格も策定中
東芝は2010年6月、シンガポールのTrek 2000 Internationalと共同で、「無線LAN内蔵フラッシュメモリカード共同規格策定フォーラム」を設立した(関連記事)。ただ設立後に方針を変更し、「SD Association」の場で、無線LANを搭載したフラッシュメモリカードの標準規格の策定を進めることにしたという。
現在、SD Associationの作業部会で標準規格の策定を進めている。「将来的には、この標準規格に準拠したSDHCメモリカードを製品化したいと考えている」(東芝)。2012年2月に発売予定のFlashAirの品種が、SD Associationの標準規格に準拠するかどうかは、現時点では未定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- さまざまな機器に無線機能を後付けで搭載、Wi-Fi対応メモリーが秘める可能性
東芝とシンガポールのTrek 2000 International社は2010年6月22日、「無線LAN内蔵フラッシュメモリーカード共同規格策定フォーラム」を設立することを発表した。 - 全ての携帯へNFC、ネットと日常生活を「タッチ」が結ぶ
さまざまなものに触れることで情報を伝える近距離の無線通信技術「NFC(Near Field Communication)」。2011年以降、NFC とスマートフォンが組み合わさることで、新しい用途が広がっていく。 - 「TransferJet」が普及の歩進める、乱立する近距離高速無線で存在感
機器同士を接触させて、機器に格納された大容量データを高速に移動する・・・。このようなコンセプトを持つ高速無線通信技術「TransferJet」が、普及に向けた歩を着実に進めている。