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急伸する中国のIC産業、台湾のファウンドリサービスへの依存度が増加傾向にビジネスニュース 業界動向

EE Times-Chinaの調査によると、台湾のファウンドリ企業に製造を委託する中国の半導体ファブレスメーカーが増えているという。

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 EE Times-ChinaがIC設計企業やファブレス半導体企業を対象に実施した調査で、中国の半導体メーカーが台湾のファウンドリ企業に製造を委託する傾向が高まっていることが明らかになった。できるだけ最先端のプロセスを適用し、半導体産業の国際競争力を強化したいという姿勢の表れだろう。

 同調査で「ファウンドリサービスを利用している」と回答した企業のうち63%は、台湾のファウンドリに発注しているという。この数字は、2010年には57%だった。また、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)に発注している中国企業は、2010年には30%だったが、2011年には33.1%に増加している。一方、中国のファウンドリ企業であるSMIC(Semiconductor Manufacturing International)とCSMC Technologiesに主に発注している企業は、それぞれ18.9%と15.0%だった。

 また、調査によれば、現在、中国のファブレス半導体企業の約9.2%は、45nm以降の製造プロセスを適用してデジタルICを製造しているという。

 EE Times-Chinaの編集者であるBrandon Smith氏は、調査報告書の中で「中国本土では、この10年間でIC設計産業が本格的に立ち上がり、急成長を遂げた。調査を開始した2002年には、中国で0.25μm以降の製造プロセスを採用していたIC設計企業はわずか20%だった。これに対し、同時期の米国では、72%以上が既に0.18μm以降の製造プロセスを導入していた。今から5年前でさえ、中国の製造プロセスは米国から少なくとも2世代は遅れていた」と解説している。

 回答が得られた中国のIC設計企業のうち、0.13μmプロセスを採用している企業の割合は、アナログIC設計企業で23.2%、ミックスドシグナルIC設計企業で27.5%だった。アナログ/ミックスドシグナルICの分野では、0.18μm/0.35μmプロセスの適用が今後も続くと見込まれている。

 今回の調査では、中国本土で製造されるICの57%が、携帯電話機やタブレット端末などの民生機器に使用されていることも明らかになった。民生機器向けICは、常に技術革新を求められ、競争も激しい市場であるが、中国のIC設計産業をけん引する分野として期待されている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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