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エルピーダメモリが業績悪化に対する緊急対策を発表、台湾への生産移転も検討ビジネスニュース 企業動向

DRAM大手のエルピーダメモリが、急激な円高とDRAM市況の悪化に対応するための緊急対策を発表した。広島工場の生産能力の一部を、台湾の生産子会社に移転することも検討している。

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 エルピーダメモリは2011年9月15日、急激な円高とDRAM市況の悪化に対応するための緊急対策を発表した。主力製品のDRAMについて、2Gビットから4Gビット品に移行するとともに、広島工場の製造プロセスを40nmから30nmへ微細化させる。さらに、広島工場の生産能力の一部を台湾の生産子会社に移転することを検討している。

 今回の緊急対策は、6つの施策に分けることができる。1つ目の施策では、DRAMの主力生産品を現行の2Gビット品から、一部製品を除いて原則として全て4Gビット品に移行する。2つ目は、同社広島工場(広島県東広島市)における、製造プロセスの微細化を早急に進めることである。現行品の生産に40nmプロセスを用いているところを、30nmプロセスに切り替えることでコスト低減を図る。3つ目の施策では、材料、装置などの調達における米ドル建ての取引を増やす。これにより、為替変動リスクの抑制と、さらなる原価率の改善が可能になる。

 4つ目の施策となるのが、DRAM生産の海外移転である。現在、広島工場の生産能力の一部を、台湾の生産子会社であるRexchip Electronics(瑞晶電子)へ段階的に移転させることを検討している。ただし、広島工場の従業員は、グループ内での転籍などの対応により雇用を維持する方針だ。

 5つ目は特許戦略の拡充である。同社が保有する知的財産権を従来以上に活用することで、特許収入を増加させる。そして、6つ目に挙げられるのが、開発部門における開発品種の絞り込みと間接部門の業務効率化による経費の圧縮である。

 また、過去数カ月のDRAM市況と業績の悪化を考慮し、代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である坂本幸雄氏の報酬手取額を当面の間100%カットすることも明らかにした。

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