「スマートハウスとEVの電力連携はこれ1台でOK」、シャープが「EVスマートパワーコンディショナ」を披露:CEATEC 2011
シャープの「EVスマートパワーコンディショナ」は、EVの充電、EVからの給電、太陽光発電システムとEVの連携など、スマートハウスとEVの電力連携を1台の装置で行うことができる。
シャープは、「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4日〜8日、幕張メッセ)において、スマートハウスとEVの電力連携を1台の装置で行える「EVスマートパワーコンディショナ」を展示した(図1)。
EVスマートパワーコンディショナは、電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド車(PHEV)用充電システム、EV/PHEVから家庭に電力を供給する際に用いる電力制御装置、太陽光発電システムのパワーコンディショナ、それぞれの機能を1台の装置に統合したものである。
シャープは2011年2月に、EVスマートパワーコンディショナと同等の機能を持つ「インテリジェントパワーコンディショナ」を発表している。EVスマートパワーコンディショナは、このインテリジェントパワーコンディショナを商品化する際のイメージモックアップである。サイズは、「太陽光発電システムのパワーコンディショナ2台分」(シャープ)となっている。
同社はEVスマートパワーコンディショナを早期に商品化したい意向だが、まだ解決すべき問題があるという。それは、EV/PHEVと、太陽光発電システムや系統電力を連携させる際の規格や認証が未整備であることだ。例えば、EVスマートパワーコンディショナと、EV/PHEVの接続に用いている急速充電コネクタの規格「CHAdeMO」については、EV/PHEV側から家庭などに電力を供給するための仕様が決まっていない。また、EV/PHEVから家庭に電力供給する機器を認証するための制度も整備されていない。このため、「もし、今すぐEVスマートパワーコンディショナを商品化できたとしても、各家庭に販売する製品について、それぞれ電力機器としての認証取得を行わなければならない」(シャープ)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- →「CEATEC 2011」記事一覧
高床式の未来型スマートハウスが登場、電力は「リーフ」が供給
日産自動車は、「CEATEC JAPAN 2011」において、高床式の未来型スマートハウス「NSH-2012」で消費する電力を、電気自動車「リーフ」から供給するデモンストレーションを行っている。その中核を担う電力制御装置は2011年度末までに市場投入される見通し。EV大量普及で混乱が起こるのか、日産とGEが送電から宅内まで共同研究を開始
数百万台のEVが一斉に充電を開始したら何が起こるのか。これは誰にも答えられない質問だ。EV大量普及時代を目の前にして、EVの世界展開を考える日産自動車と、送電・配電・スマートグリッドの研究開発を進める米General Electric(GE)が手を組んだ。スマートハウスの実現相次ぐ、トヨタが販売を開始、パナソニックは街ごと開発
トヨタホームはEVや太陽光発電システム、家庭用蓄電池などをHEMSで一括管理できるスマートハウスの販売を始める。購入者は経済産業省の実証実験の一環として4年弱の実験に参加する。一方、パナソニックは実験を飛び越えてスマートタウンの開発に取り組む。