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iPhone 4Sのコストは32GB機で203ドル、LTE対応は1年以上先かビジネスニュース(2/2 ページ)

発売されたばかりのiPhone 4S。その部品コストをUBM TechInsightsが試算した。またiSuppliのアナリストは、AppleがLTE規格に対応した“iPhone 5”を発表できるようになるにはまだ時間がかかり、その時期は2012年後半または2013年半ばごろと見込む。

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優先すべきはLTE対応よりもユーザー体験

 これまでの大方の予想では、Appleは4G(第4世代)に対応したまったく新しいモデル「iPhone 5」を発表すると考えられていた。しかし同社が発表したのは、iPhone 4を漸進的にアップデートした形のiPhone 4Sだった。米国の市場調査会社であるIHS iSuppliは、AppleがLTE(Long Term Evolution)に対応したiPhone 5を発表できるのは、手ごろな価格で薄型のチップセットを実現できるようになったときだとみている。iSuppliは、その時期を、2012年後半または2013年半ばごろと見込む。

 iSuppliで無線通信分野のシニア主席アナリストを務めるFrancis Sideco氏は、発表資料の中で、「Appleは、革新的な技術を見せつけるための機能ではなく、優れたユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を提供するための機能を搭載する道を選んだ。だからこそ、LTE対応のiPhoneにはしなかった。LTE対応にすれば、価格が高くなるだけでなく、サイズや消費電力も大きくなってしまうためだ。代わりに、従来よりもやや速いレベルの無線データ通信速度で、さらに優れたユーザーエクスペリエンスを実現するiPhone 4Sを発表した」と述べている。

 一方、UBM TechInsightsのテクニカルインテリジェンス部門でバイスプレジデントを務めるDavid Carey氏は、AppleがLTE対応のiPhoneを出さなかった理由について、「LTEの普及が進んでいないため」と分析する。実際、iPhoneの独占販売を行っていたAT&Tも、4Gネットワークの対応を米国の一部の都市でようやく開始したばかりである。

 Carey氏は、「ちょうど『iPhone 3G』のあとに『iPhone 3GS』を発表したように、iPhone 4Sを発表したことはAppleにとって当然だと言える。この段階を踏むことで、AppleはいよいよiPhone 5の発表に向けて発進することになるだろう」と語った。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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