iPhone 4Sを分解、やはりiPhone 4のVerizon版がマルチモード対応の布石:製品解剖 フォトギャラリー(3/5 ページ)
発売されたばかりのiPhone 4Sを分解し、主要部品のベンダーを分析した。本稿では、速報リポートとして、部品ベンダーのリストを掲載する他、主なチップのダイ写真や、分解の様子を数多くの写真でお伝えする。
Appleの新世代プロセッサ「A5」
iPhone 4Sは、Appleの新世代デュアルコアプロセッサであるA5を搭載する。A5は、前述の通りタブレット端末のiPad 2でデビューを飾ったプロセッサで、2個のARMコアを集積しており、低消費電力のDDR2 DRAMをサポートしている。
iPhone 4Sに搭載されたA5チップは、iPad 2に内蔵されているものとほぼ同じだ。iPhone 4S用のA5チップもiPad 2用と同じく45nm世代の半導体プロセス技術で製造されていることをうかがわせる。製造を担当するファウンドリがiPad 2用と同様にSamsungなのか、それともTSMCなどの他のファウンドリかどうかは、チップの断面写真を分析する必要があるものの、現時点で確認できている事実から推定する限りは、Samsungが引き続き製造を担当しているようだ。
Qualcommのベースバンドチップセット「MDM6610」
QualcommがiPhone 4S向けに供給するベースバンドチップセットのMDM6610は、Qualcommが旧来からラインアップしてきた製品群「Gobi」の新型品という位置付けだ。VerizonのCDMA版iPhone 4で最初に使われたMDM6600によく似ており、GSM/GPRS/EDGEと、CDMA、HSDPA、HSPA+に加えて、1x EV-DO規格にも対応するマルチモード品である。UBM TechInsightsは以前にMDM6600のパッケージを取り外しており、そこには1枚のダイしか封止されていないことを確認していた。これにより、ベースバンド部とトランシーバ部がそれぞれ別のダイに実装されていることが明らかになっている。下の写真は、MDM6600のダイだ。MDM6610のダイ写真は、公開準備が整い次第、UBM TechInsightsのWebサイトに掲載する予定である。
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