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シェア巻き返しを図れるか、NokiaがWindowsスマホを発表ビジネスニュース(2/2 ページ)

2007年以降、スマートフォン市場で苦戦を続けてきたNokia。「Windows Phone」を搭載したスマートフォンの投入で巻き返しを狙う同社だが、製品の差別化や価格帯の観点から考えると、一筋縄ではいかないようだ。

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差別化を図りにくいWindowsスマートフォン

 IDCは、「Samsung ELectronicsやHTC、LG ELectronicsなどがWindows Phoneの採用を始めたことで、同OSは、2012年末には約11%の市場シェアを獲得できるだろう。2015年までにはシェアが20%まで拡大し、iOSを抜いて、Androidに次ぐシェア第2位のスマートフォン向けOSとなる可能性もある」と予想している。

 しかし、この予測は、NokiaのWindowsスマートフォンが米国でどれだけ普及するかにかかっている。Lumia 800/Lumia 710は、今のところ欧州の一部地域でしか入手できない。Nokiaは、LTE(Long Term Evolution)の普及が安定するとみられる2012年まで、米国での販売を開始しないという。

 Microsoftは、Windows Phoneのユーザーインタフェースの変更について制限を設けており、これが、Windowsスマートフォンを作る上で差別化を図りにくい要因となっている。

 Jeronimo氏は、「Nokiaは、他の携帯電話機メーカーが容易には対抗できないような独自のサービスを提供することで、差別化を図ろうとしている」と述べる。

 一方、Gold氏は、「NokiaのWindowsスマートフォンには、これといった特徴がない。そのような製品を、『iPhone 4S』と同じ価格帯(420ユーロ前後)で販売するのはいかがなものか」と指摘する。「Nokiaは、高品質の製品を手ごろな価格で提供することで市場シェアを取り戻そうとしている。だが、市場をけん引する競合他社品と同じ価格帯で勝負しても、Nokiaに勝ち目はない」(Gold氏)。

 Nokiaは、2007年以降、スマートフォン市場においてシェアを大幅に落としている。Jeronimo氏は、「Nokiaがスマートフォン市場で巻き返しを図るには、スマートフォンの新製品をほんの数個発表するだけでは不十分である。だが、Windowsスマートフォンを発表したことは、Nokiaにとって、再び大きく成長するための重要な第一歩となるだろう」と語った。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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