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「Kindle Fire」の部品コストは約143米ドル、UBM TechInsightsが推定製品分解 タブレット

「iPad 2」に比べて低価格を実現したAmazonの「Kindle Fire」。部品コストの差が特に大きかったのは、プロセッサとディスプレイのようだ。

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 技術情報サービスを手掛けるUBM TechInsightsは、Amazonのタブレット「Kindle Fire」の分解調査を行い、その部品コスト(BOM)が約143米ドルであることを明らかにした。一部のアナリストが以前に予測していたコストを下回る結果となった。

 TechInsightsによると、Kindle Fireは、Texas Instruments(TI)のプロセッサ「OMAP 4430」を搭載し、その部品コストは約18米ドルだという。一方、Appleの「iPad 2」は、Appleが独自に開発した「A5」プロセッサを採用しており、その部品コストは約26米ドルである。

 Kindle Fireは、2011年11月14日に米国内で発売された。Amazonのサイトから、199米ドルで購入できる。当初、一部のアナリストは、Kindle Fireの部品コストをより高く見積もっていたため、「Amazonは赤字覚悟で販売するつもりなのではないか」との見方もあった。

 Appleは、iPad 2(32ギガバイト[GB])の3G(第3世代)モデルを729米ドルで販売している。一方、無線LANのみに対応したモデル(16GB)の販売価格は499米ドルである。

 TechInsightsによると、iPad 2(32GB)の3Gモデルの部品コストは、約276米ドルだという。

 部品コストの差が大きかったのは、ディスプレイだ。Kindle Fireが搭載する7インチディスプレイ(1024×600画素)が約35米ドルであるのに対し、iPad 2の9.7インチディスプレイ(1024×768画素)は54米ドルだった。

 さらに、iPad 2の32GBモデルは、約34米ドルのNAND型フラッシュメモリを搭載している。一方、Kindle Fireは、わずか8GBのNAND型フラッシュメモリを採用し、その部品コストは約8米ドルだという。

 Kindle Fireの電池は、容量が4400mAhで、使用可能時間は約7.5時間である。部品コストは12米ドルだ。一方、iPad 2の電池は、容量が約6600mAh、使用可能時間は約10時間、部品コストは23米ドルである。

 なお、TechInsightsによると、RIM(Research in Motion)のタブレット端末「Blackberry PlayBook」の部品コストは、約169米ドルだという。

タブレット端末の特徴
iPad/Blackberry PlayBook/Kindle Fireの特徴(クリックで拡大) 出典:UBM TechInsights
kindle fireのコスト
iPad/Blackberry PlayBook/Kindle Fireの部品コストの見積もり値(クリックで拡大) 出典:UBM TechInsights

 TechInsightsは、Kindle Fireが発売される前は、その部品コストを約150米ドルと予測していた。また、Kindle Fireの部品コストをはるかに高く見積もっていたアナリストもいた。

 iPadは、Androidベースのタブレット端末が2011年に相次いで台頭したにもかかわらず、市場において圧倒的な優位性を維持している。米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、2011年に出荷されたタブレット全体の約74%をiPadが占めているという。アナリストの中には、Kindle Fireについて、その低価格の実現だけでなく、Amazonのバックアップによるメディア/アプリケーションエコシステムも備えていることから、タブレット市場におけるiPadの独占状態を初めて脅かす存在になるとみる者もいる。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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