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宅内有線ネットの大統一規格「G.hn」、対応通信チップが日本初公開ET2011 有線通信技術(2/3 ページ)

ホームネットワークを巡る規格の乱立は、これで終止符か。同軸ケーブル、電力線、電話線という3つのケーブルのどれでもデータをやりとりできる国際標準規格「G.hn」に対応した通信チップが、ようやくお目見えした。

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最大1Gビット/秒のデータ伝送速度

 ET2011でMarvell Technologyが展示したのは、デジタルベースバンドチップとアナログフロントエンドICで構成したG.hn準拠のチップセットで、型番は前者が「88LX3142」、後者が「88LX2718」である。

 「G.hn準拠のチップセットは、同軸ケーブルや電話線、電力線といった媒体に依存せず使えることはもちろん、データ伝送速度が高く、雑音に対する耐性が高いことが特徴だ」(同社)という。G.hn規格では、データのやりとりに使う周波数帯域幅として、25MHz幅、50MHz幅、100MHz幅の3つを規定しており、100MHzの周波数幅を使ったときの物理層におけるデータ伝送速度は、最大1Gビット/秒に達する。実効データ伝送速度は媒体によって異なり、同軸ケーブルのとき800Mビット/秒、電話線のとき400〜500Mビット/秒、電力線のとき300〜350Mビット/秒程度である(いずれも、UDP層における値)*1)

図
Marvell TechnologyがET2011で展示したホームネットワーク向け通信チップ 2010年6月に高速電力線通信(PLC)用チップを手掛ける、スペインのDS2を買収した。写真の左3つはDS2が製品化していた高速PLC用チップ。DS2の基本技術を基に、ITU-TのG.hn規格に準拠した品種を開発した。

 MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を使うことで、データ伝送速度をさらに高めることも可能だ。具体的には、単相3線式の電力線を媒体に使える場合は、3本のラインを使って2系統の信号をやりとりすることで(これを、MIMOと呼んでいる)、データ伝送速度を最大で2倍に高められる。雑音耐性が高い理由は、変調に直交周波数分割多重方式(OFDM)を採用していることや、誤り訂正符号に「LDPC(Low Density Parity Check)」を使っていることによる。前述のMIMO技術を、伝送速度ではなく雑音耐性の向上に使うことも可能である。

 同社は、G.hn準拠のチップセットのサンプル出荷を2011年12月中旬に開始する。量産は、2012年3月に始める予定だという。

Sigma Designsの展示内容。左の写真は、開発したG.hn準拠のチップセットの概要。右の写真は、開発したチップセットを使った電力線通信のデモの様子。

 Sigma DesignsもG.hn準拠のチップセット「GS5110」を出品し、これを使ったデータ伝送のデモを見せていた。現在、限定顧客にのみサンプル提供を開始しており、映像の宅内配信の実証実験をしてる。2012年中ごろには広くサンプル品の提供を始める。早ければ、2012年中ごろには量産を始める。

*1)日本は高速PLCの規制が厳しく、2〜30MHzの周波数帯のみが使える。従って、PLCのときは25MHz帯幅を使った通信のみに対応する。

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