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「Cortex-A15」の開発事例を富士通セミが明かす、動作周波数は2GHz以上にプロセッサ/マイコン

ARMの最先端プロセッサコア「Cortex-A15」を搭載するASICを富士通セミコンダクターが開発中である。TSMCの28nm HPMプロセスで製造しており、動作周波数は2GHz以上になる見込みだ。

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 富士通セミコンダクターは、ARMが東京都内で開催したイベント「ARM TECHNICAL SYMOPSIA 2011」(2011年11月11日)において、アプリケーション処理用プロセッサコア「Cortex-A9」や「Cortex-A15」を用いたASICの開発状況を明らかにした。同社の開発・製造本部で本部長代理を務める内藤貢氏が講演の中で紹介したもの。

 内藤氏は、世界全体のASIC市場で富士通セミコンダクターのシェアが14%とトップであることを挙げた上で、「当社のASICビジネスにおいてARMコア搭載品はすでに1/4以上を占める。今後もARMコア搭載品はますます増加するだろう」とコメント。そして、今後市場投入する製品として、Cortex-A9やCortex-A15を搭載品の概要を説明した。

 Cortex-A9搭載品は、動作周波数が1GHzのデュアルコア構成で、低消費電力と小さなダイサイズが特徴である。既に量産段階に入っており、間もなく開発委託元に納入される見込みだ。一方、Cortex-A15搭載品は、2GHz以上の動作周波数と低消費電力を両立するような試作開発を進めている。製造プロセスは、TSMCの28nm HPM(High Performance for Mobile Applications)を使用する計画である。内藤氏は、「世界全体で見ても、Cortex-A15に対する取り組みは最も進んでいる部類に入るだろう」と主張する。

富士通セミコンダクターの内藤貢氏「Cortex-A9」/「Cortex-A15」の搭載品 左は富士通セミコンダクターの内藤貢氏。右は、同社が開発している「Cortex-A9」と「Cortex-A15」の搭載品である。

 また、Cortex-A9などのARMのプロセッサコアを搭載するASICの開発プラットフォーム「ARMONDE-A9」についても触れた。同プラットフォームのプロセッサコアは、Cortex-A9のデュアルコア構成や、リアルタイム処理向けの「Cortex-R4F」、マイコン向けの「Cortex-M3などが利用できる。グラフィックスプロセッサはARMのプロダクトではなくディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)の「SMAPH-S」、「SMAPH-F」「PICA200 Lite」を用いている。さらには、Cortex-A15を用いたASICの開発プラットフォームの開発も進めている。このプラットフォームは、Cortex-A15に加えて、大幅な消費電力の低減が可能な「big.LITTLE処理」に必要な「Cortex-A7」(関連記事1)や、ARMの最新のグラフィックスプロセッサ「Mali-T658」(関連記事2)などを利用できるようにする方針だ。

「ARMONDE-A9」の機能ブロック図「Cortex-A15」を用いた開発プラットフォームの機能ブロック図 「ARMONDE-A9」(左)と「Cortex-A15」を用いた開発プラットフォームの機能ブロック図。

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