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タブレットで途上国の児童に教育機会を、OLPCらが100ドル機を発表ビジネスニュース 企業動向

開発途上国の児童に教育機会を提供することを目的に低価格のノートPCを開発する非営利団体のOLPCは、低コストのタブレットPCを発表した。100米ドル程度で販売する。

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 Marvell Semiconductorと非営利団体のOne Laptop per Child(OLPC)は、過去数年にわたってうわさを呼んでいた低コストのタブレットPC「XO 3.0」をついに発表した。2012年1月10〜13日に米国のラスベガスで開催される「2012 International Consumer Electronics Show(CES)」において、MarvellのブースでこのXO 3.0を展示する。

 OLPCによれば、XO 3.0は低コストで消費電力が低く、堅牢性を備えている。MarvellのSoCプロセッサ「Armada PXA618」と無線LANチップ「Avastar」を採用し、512MバイトのRAMを内蔵する。8インチ型パネルを搭載し、超薄型を実現したという。

図1

 さらに、独自の充電回路により、太陽電池や手回しクランクなどの発電装置から直接充電することが可能だとする。OLPCのCTO(最高技術責任者)を務めるEdward McNierney氏によれば、これはタブレットPCとしては業界初だという。OLPCによると、XO 3.0の消費電力は2Wで、手回しクランクで1分間充電すれば、10分間の駆動時間を確保できるとしている。

 XO 3.0のディスプレイには、2つのオプションが用意されており、いずれかを選択可能だ。1つは一般的な液晶パネルで、もう1つは太陽光下でも読みやすいことを特徴とする、Pixel Qiのディスプレイ(1024×768画素)である。OSは、Androidと、OLPCが子ども向けに独自に開発した「Sugar Linux」のいずれかを利用可能だ。

図2

 XO 3.0の販売価格は、オプションとして選択した仕様にもよるが、平均で100米ドル前後になるとみられる。教育システムへの投資意欲が高まっている開発途上国に向けて、入手しやすい価格を実現した。

 OLPCは既に低価格ノートPC「XO」を販売しており、既存モデルの「XO 1.5」をこれまでに世界42カ国の240万人以上の子どもたちに提供してきたという。2012年3月には、ノートPCの新モデル「XO 1.75」の出荷を始める予定だ。この新モデルは、プロセッサにタブレットPCのXO 3.0と同じArmada PXA618を採用し、太陽光下でも読みやすいディスプレイを搭載する。既に、ウルグアイとニカラグアのOLPCプロジェクトから、7万5000台以上を受注済みだという。

 なおOLPCは、タブレットPCの販売を各国政府からの大量注文のみに限定しており、個人ユーザー向けには販売していない。

 Marvellのコーポレートマーケティング担当バイスプレジデントを務めるTom Hayes氏は、「世界で最も貧しい国々の子どもたちに恩恵をもたらす、重要な革命を実現するための手段の1つとして、OLPCとのパートナーシップを構築してきた」と述べている。

 Marvellは初期の段階からOLPCと活動を共にしており、「世界中の5億人の子どもたちに有意義な教育機会を提供するというOLPCの使命を実現するためには、今後もいかなる協力も惜しまない」(Hayes氏)と表明している。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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