リモコンが変わる、スマートテレビの登場でユーザーインタフェースが多彩に:センシング技術(1/3 ページ)
Webページのブラウジングはもちろん、SNSを利用したり、多彩なマルチメディアコンテンツを視聴したり……。インターネットと連携するスマートテレビを楽しむには、旧来のリモコンは使い勝手が悪い。スマートテレビ時代に適した新しいタイプのユーザーインタフェースとは? それを探る取り組みが業界で始まった。
テレビはこれまで、放送されている番組を視聴したり、録画した番組やパッケージソフトとして流通しているビデオコンテンツを再生して楽しんだりする使い方が中心だった。ユーザーの利用形態は、“受動的”だったといえるだろう。今後は、これが“能動的”になる。きっかけは、スマートテレビの登場だ。そこで、テレビに向けた次世代インタフェースの提案が活発化している。
スマートテレビとは、インターネット接続機能を備えた高機能テレビである。単にインターネット接続機能を搭載し、Webページをブラウジングできるテレビなら、2000年代後半から市場に投入されていた。しかし、今新たな盛り上がりを見せるスマートテレビは、それらとは違う。FacebookやTwitter、Skypeといったインターネット上のさまざまなソーシャルネットワークサービス(SNS)と連動したり、高品位のビデオコンテンツをストリーミングでオンデマンド視聴したり、スマートフォンや小型テレビと連携したりといった、新しい楽しみ方を提案する次世代テレビだ。
米国ネバダ州ラスベガスで開催された消費者向けエレクトロニクスの総合展示会「2012 International CES」(2012年1月10〜13日)では、大手から中堅まで、テレビメーカーがこぞってスマートテレビを展示していた。
これらのスマートテレビが備える機能の多くは、既にPCで一般に提供されているものだ。しかしテレビには、PCとは異なる課題がある。それがユーザーインタフェースだ。旧来のテレビの一般的なリモコンは受動的な利用形態に向けて進化してきたもので、スマートテレビの能動的な利用形態には必ずしも適さない。
そこでテレビメーカー各社は、従来とは異なる機能を備えたリモコンや、リモコンに代わる新しいユーザーインタフェースの開発を進めている。今回のCESでは、そうした各社の提案がスマートテレビとともに大きな注目を集めていた。
操作性が最優先
ソニーやパナソニック、LG Electronicsなどが展示したスマートテレビ向けリモコンは、キーボードやタッチパッドを備えている点が従来のリモコンと大きく異なる(図1、図2)。Webページをブラウジングしたり、何百タイトルもの映画やドラマのリストをざっと確認したりするには、これまで以上にリモコンの操作性を高める必要がある。キーボードやタッチパッドを用意すれば、文字入力や画面のスクロールなども、素早く簡単に操作できるだろう。
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