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リモコンが変わる、スマートテレビの登場でユーザーインタフェースが多彩にセンシング技術(3/3 ページ)

Webページのブラウジングはもちろん、SNSを利用したり、多彩なマルチメディアコンテンツを視聴したり……。インターネットと連携するスマートテレビを楽しむには、旧来のリモコンは使い勝手が悪い。スマートテレビ時代に適した新しいタイプのユーザーインタフェースとは? それを探る取り組みが業界で始まった。

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新しいコントロール技術も登場

 リモコンを使わずにテレビを操作する新しい技術も登場している。その1つが、音声や体の動き(モーション)でコントロールするというものだ。

 例えば、LGがMagic Remoteと呼ぶ前出のリモコンでは、ユーザーが映画のタイトルを「ハリー・ポッター」などと発声すると、それを音声認識で取得して検索を実行することができる。

 Samsung Electronicsは、手振りと音声を使ってスマートテレビを操作するデモをCESで披露した(図5)。同社は、このような機能を「Smart Interaction」と呼んでいる。Smart Interactionに対応するスマートテレビはカメラとマイクを内蔵しており、それらを利用して手の動きと音声を認識する。

図5 Samsung図5 Samsung_right 図5 左の写真は、手振りでメニューを選んでいる様子。右の写真はWebサイトを閲覧しているところ。手を握る動作で、“クリック”できる。(各画像はクリックで拡大)

 手の動きを認識できる範囲は、テレビの前は4〜5m程度まで、高さは1m程度までだという。Samsungの担当者は、「テレビの前に置いたソファに座って操作すると仮定すれば、このくらいの範囲内で手の動きを認識できれば十分だ」と話している。

 Samsungによると、今回の展示では実演していないが、テレビにユーザーの顔を覚えさせることもできるという。「スマートテレビでは、FacebookやSkypeを利用するときなど、ユーザーの個人認証が必要になる場合がある。そのようなとき、テレビにあらかじめユーザーの顔を認識させておき、本人だと特定できる」(同社)。

 また、中国の総合家電メーカーであるHaier(ハイアール)は、脳波を活用して操作するテレビを試作し、展示した(図6)。

図6 Haier
図6 脳波を活用して操作するテレビ デモでは、画面左端に映っている黄色の丸いキャラクターを動かしていた。

 テレビを操作するには、図7のようなヘッドセットを装着する。同社はヘッドセットについて技術的な詳細は明らかにしなかったが、「脳の神経細胞であるニューロンの電気信号を読み取るセンサーを内蔵している」と説明する。なおこのセンサーは、米国のNeuroSkyが開発したものだ。

図7 Haier
図7 ヘッドセットを装着した様子

 このデモは、ゲームのキャラクターを操作して上下に動かし、黄色いブロックの合間を通して右方向に進ませるというもの。ヘッドセットを装着したユーザーの集中力が強くなるとキャラクターが上昇し、力を抜いてリラックスすると下降する。Haierの担当者は、「現時点では上下に動かすことしかできないが、例えば、これをテレビの音量の上げ下げなどに利用することなどを考えている。左右方向にも動かすことができれば、体が不自由な人向けのアプリケーションの開発など、応用分野が広がるはずだ」と述べた。

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