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英国政府、グラフェン研究に1億2000万ドルを投入ビジネスニュース 業界動向

EE Times誌が2012年の注目技術の1つとして取り上げたグラフェン。グラフェンの研究開発の先駆者である英国は、膨大な資金を投入し、同素材の研究の全面的な支援を行おうとしている。

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 英国政府は、同国北西部のマンチェスターにある国立研究所など、グラフェンの研究開発を行う施設に7000万ポンド(1億2000万米ドルに相当)の資金を投じる計画だという。

 現在、グラフェンをベースにした最初の製品の開発を巡る競争が繰り広げられている。炭素の二次元結晶であるグラフェンは、シリコンに比べ極めて強固であり、電子移動度もシリコンをはるかにしのぐ。英国はグラフェン研究の草分け的な存在である。その地位を生かし、この優れた素材について、工学面や製造面での専門知識を構築しようとしている。

 2010年、「二次元材料であるグラフェンについて革新的な実験を行った」として、Andre Geim氏とKonstantin Novoselov氏がノーベル物理学賞を受賞した。両氏はロシアで研究キャリアをスタートしたが、現在はマンチェスター大学の教授を務めている。

 グラフェンは、「最も強く、最も薄い素材であり、優れた導電性も備える」と言われている。半導体、タッチスクリーンを搭載したフレキシブルディスプレイ、センサーなどのエレクトロニクス分野や、複合材料の分野に、非常に大きな影響をもたらすと見込まれている。

 マンチェスターの国立研究所には4500万ポンドが投入される予定だが、英国政府はそのうち3800万ポンドを提供するという。この世界規模の研究施設は、グラフェンの研究開発や製品化を進める研究者と企業の双方が利用できるものだ。英国全土の研究グループや企業に向けて開かれた、研究活動のよりどころとして、幅広い連携を生み出す場となるだろう。

 英国政府は、グラフェン関連の研究設備の導入資金として、さらに1200万ポンドを提供する。また、グラフェンの研究開発を支援するためや、新しい機器やシステムの開発を促進するために、別途1000万ポンドを投入する。

 さらに、英国政府は、マンチェスターの国立研究所とは別のグラフェン関連の研究センターにも1000万ポンドの資金を提供する予定だ。この研究センターは、グラフェンに関連する新しい技術の開発を目指している。同センターには、政府の他、関連業界も資金を投入する。

 韓国のSamsung Electronicsは、マンチェスター大学と提携し、グラフェン技術のアプリケーションについて開発を行っている。Samsungは、グラフェンを活用したフレキシブルディスプレイの研究開発を進めているという。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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