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タブレット向けCPU市場、Apple以外の陣営も健闘ビジネスニュース 市場動向

タブレット端末がもはやAppleの独壇場ではないように、同端末向けのCPU市場においてもApple以外の各メーカーの成長が目立ってきている。

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 米国の市場調査会社であるStrategy Analyticsは、2011年におけるタブレット端末向けアプリケーションプロセッサ市場に関する調査報告書を発表した。それによると、Appleが他社を大きく引き離して、同市場シェア第1位を獲得した。第2位はTexas Instruments(TI)で、NVIDIAが僅差でこれに続く。同報告書は、Appleが米国カリフォルニア州サンフランシスコで第3世代の「iPad」を発表したのと同じ2012年3月7日に発表された。新型のiPadは、従来機種に比べてプロセッサや液晶ディスプレイ、通信速度などが向上したという。

 タブレット端末向けのアプリケーションプロセッサ市場は、まだ若い市場で、2011年には前年比230%増と大幅な成長を記録した。同市場におけるシェア第1位は、やはりAppleがiPadに搭載する「Aシリーズ」で、59%を獲得している。しかし、Apple以外の各メーカーも、同社に負けない成長を見せている。

 TIのアプリケーションプロセッサ「OMAP」は、iPad以外のタブレット端末市場において35%のシェアを獲得した。OMAPは、Amazonの「Kindle Fire」やBarnes & Nobleの「NOOK Tablet」に搭載されている。また、NVIDIAのアプリケーションプロセッサ「Tegra」も、34%とTIにほぼ並ぶシェアを獲得している。Tegraは、AcerやAsus、LG Display、Motorola、Samsung Electronics、Sony、東芝などのタブレット端末に搭載されている。

 Strategy Analyticsで携帯機器分野のシニアアナリストを務めるSravan Kundojjala氏は、「QualcommとIntelはそれぞれ、スマートフォン向けプロセッサとPC向けプロセッサの大手だが、2011年のタブレット端末向けプロセッサ市場では好機を逃した」と語る。「BroadcomやST-Ericsson、MediaTek、Marvell Technology Group、ルネサス エレクトロニクスなどのアプリケーションプロセッサベンダーも、タブレット市場では大口のデザインウィンを獲得できていない。2012年は、タブレット市場にさらに注力する必要があるだろう」(同氏)。

 同氏は、「Qualcommは2012年に、LTE(Long Term Evolution)に対応したタブレット端末と『Windows 8』を搭載したタブレット端末で、かなりのシェアを獲得するとみられる。NVIDIAもクアッドコアプロセッサ『Tegra 3』で、タブレット市場における同社のシェアをさらに拡大すると予想される」と述べている。

 Strategy Analyticsによると、2011年にモバイル機器に搭載されたアプリケーションプロセッサの98%は、ARMベースのプロセッサだったという。しかし、「2012年には、IntelやAMD(Advanced Micro Devices)製のx86プロセッサも、『Android 4.0』やWindows 8ベースのタブレット端末を中心にシェアを伸ばすだろう」と同社は予想している。

 Kundojjala氏は、「Appleの新型iPadの発表を受け、タブレット端末市場は次の四半期以降、成長が加速化すると予想される。AmazonやGoogle、Microsoftを中心とするApple以外の陣営も、2012年のタブレット市場に攻勢をかけてくるはずだ」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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