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LEDは補助照明から主照明へ、ソウル半導体が交流駆動型をアピールLED/発光デバイス LED照明

Seoul Semiconductorが、独自技術としてアピールしているのが、交流駆動型のLED素子「Acriche(アクリチ)」である。日本市場を対象に、光のちらつき対策を施した品種を、2012年末までに実用化する計画だ。

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 LEDチップ大手のSeoul Semiconductorの日本法人であるジャパンソウル半導体は、2012年3月7日に東京都内で事業説明会を開催し、LED市場の現状や、同社が強化しているLED製品の概略を説明した。

 登壇した同社の代表取締役社長の堤伸行氏(図1)は、「Seoul Semiconductorでは、2016年までに市場シェアを20%に高め、現在第4位のシェアを第1位に引き上げることを目標にしている。日本市場においても、現在4%の市場シェアを2016年には全世界と同じく20%に引き上げたい」と意気込みを語った。ここで挙げた数値は、バックライトや照明を含む全てのLED市場のシェアである。

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図1 ジャパンソウル半導体の代表取締役社長を務める堤伸行氏

 Seoul Semiconductorの日本市場での2011年の売上高は、2010年比で60%伸びた。東日本大震災後、電力消費を削減する市場要求もあり、東日本を中心にLED照明に注目が集まったからだという。2012年の売上高も、2011年比で60%増を見込む。「2012年は西日本で電力供給が切迫するというような市場背景もある。LED照明の需要は、年々確実に高まっている」(同氏)。現在、LED照明の主な用途は、白熱電球の置き換えや補助照明である。今後は、主照明を対象にした直管型LED照明やLEDシーリングライトの採用が進む見通しだという。なお、LED市場全体で見ると、照明用や車載用の市場規模が、ディスプレイのバックライト用の市場規模を2012年には上回ると予想されている。

日本市場向けに「ちらつき」対策品を開発中

 Seoul SemiconductorはさまざまなタイプのLED素子のラインアップをそろえているが、独自技術として強くアピールしているのが、交流駆動型のLED素子「Acriche(アクリチ)」である。

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図2 交流駆動型のLED素子「Acriche(アクリチ)」のラインアップ (クリックすると拡大します)。

 一般的なLED素子が、交流(AC)電源をAC-DCコンバータモジュールで直流化した後、LED素子に供給するのに対して、Acricheを使えばAC電源をほぼ直接LED素子に供給できる。「ほぼ直接」と書いたのは、AC電源を全波整流し、力率を改善するためのAcriche用ICを外付けする必要があるため。同社はこれまで、Acricheを使うことでLED照明を構成する電子部品を減らせることや、アルミ電解コンデンサに起因した寿命問題が起こらないことを売りに、採用を広げてきた(図2図3)。ところが、AC電源を直流化しない脈流の状態でLED素子を駆動することになるため、人が視認できないほどのちらつきが発生してしまう。これが原因で、日本市場ではAcricheの採用がなかなか広がってこなかったという。

図3 左は、AcricheでLED照明を構成した例。右は、LED素子部の拡大図。中央にあるチップが、AC電源を全波整流し、力率を改善するためのAcriche用IC。(クリックすると拡大します)。

 そこで同社は現在、この課題の解決を進めている。「日本市場では、光の質という観点でAcricheを主照明に使えないという指摘を受けてきた。この課題を解決し、直管型LED照明に使えるAcricheの製品化を計画している。2012年末までには、改善した品種を実用化する予定だ」(同氏)。

 ちらつきが発生してしまうのは、LED素子に電力が供給されない「ゼロ点」があるためである。そこで、ゼロ点を発生させないように、4.7μFと小容量のセラミックコンデンサを追加する計画だ。大容量品を使えば脈流からきれいな直流に近づくが、大容量の品種が比較的安価で手に入るアルミ電解コンデンサを使う必要が出てくる。セラミックコンデンサを使いつつ、なるべく脈流から直流に近づける独自技術をAcriche用ICに盛り込むという。セラミックコンデンサは、寿命の問題は回避できるものの、大容量化しにくいという特性がある。

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