シャープがFoxconnの鴻海と業務/資本提携、堺工場の液晶50%を供給へ:ビジネスニュース 企業動向
シャープがEMS世界最大手の鴻海(Hon Hai)と業務・資本の両面で提携する。シャープ本体と液晶生産子会社それぞれの株式を鴻海グループが持ち、堺工場で生産する液晶パネル/モジュールを鴻海側が最終的に50%まで引き取る。
シャープは2012年3月27日、台湾のHon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)と資本・業務の両面で提携すると発表した。鴻海精密工業は、「Foxconn」ブランドで知られるEMS(電子機器の受託製造サービス)の世界最大手企業。シャープが第三者割当増資を実施し、鴻海グループ4社が引き受ける。鴻海グループ4社合計で増資後のシャープへの出資比率は9.88%に達し、増資前に5.01%を有する日本生命を上回って実質的な筆頭株主になる。ただしシャープによると3月27日の発表時点では、シャープが鴻海グループから取締役を受け入れる予定は無いという。
さらにシャープは、液晶生産の主力拠点である堺工場を運営する子会社シャープディスプレイプロダクト(SDP)の株式を、鴻海精密工業で董事長を務める郭台銘(かく・たいめい)氏および他の投資法人などに合わせて約46.5%譲渡する。
シャープによると、同社と鴻海精密工業は「ワンカンパニー」として堺工場を運営し、操業の安定化を実現するという。この業務提携の中で鴻海精密工業は、堺工場でSDPが生産する液晶パネル/モジュールを最終的に50%まで引き取る。加えて、「シャープのオンリーワンデバイス・商品の開発力と、鴻海精密工業が有する高い実装生産力・コスト競争力など、両社の強みを生かしたグローバルレベルの新たなビジネスモデルを構築し、市場ニーズにマッチしたコスト競争力のあるデバイス・商品のタイムリーな市場投入を実現する」(シャープの報道発表資料)としている。
シャープは報道発表資料の中で、「鴻海との業務提携を今後さらに発展させ、協業分野を拡大するとともに、今回の第三者割当増資で調達する資金を新規技術導入に関わる投資などに投入し、中長期的な収益力の向上とグローバル競争力の強化を図っていく」と述べている。
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