Samsung、70億ドルを投じて西安にNANDフラッシュ製造施設を建設へ:ビジネスニュース 企業動向
Samsungは、中国国内でNAND型フラッシュメモリを安定して供給すべく、製造施設を新設する。同社が韓国以外の製造工場に投資する額としては、最大規模になる見込みだという。
複数の報道によると、Samsung Electronicsは、中国陝西(せんせい)省西安市に建設予定のNAND型フラッシュメモリ(以下、NANDフラッシュ)の製造施設に70億米ドルの資金を投じるという。
Samsungは2011年12月、中国にNANDフラッシュの製造施設を建設する予定だと発表していた(関連ニュース)。中国のスマートフォン/タブレット端末メーカーにNANDフラッシュを供給するためだ。この発表では、新設する製造施設では、20nmプロセス技術を適用し、2013年末には量産体制に入る見込みだと伝えられた。
Samsungは2012年4月2日、製造施設の建設総費用70億米ドルのうち、まずは23億米ドルを初期費用として投じ、残りの費用は完成までの数年間で用いられると発表した。Bloombergの報道によると、Samsungは米国テキサス州オースティンのウエハー処理施設にも巨額の資金を投じているが、西安の製造施設は、同社のチップ製造事業における海外投資では最大規模になる見込みだという。
朝鮮日報は、建設地に西安市が選ばれた理由として、Samsungの広報担当者のコメントを引用し、「産業基盤が十分に整っており、多くの世界的なIT企業が、製造や研究開発の拠点を置いている」点を挙げた。
Samsungの広報担当者はEE Timesのメール取材に対し、「西安市は、優れた産業基盤と熟練した労働力を備えている他、中国のIT産業の中心地でもある。建設に向けた協議はまだ初期段階にあり、契約には中国政府からの承認も必要になる」と述べた。
Samsungは2011年9月、韓国 京幾道(キョンギド)にあるDRAM/NANDフラッシュ製造施設「Line-16」の稼働を開始した。同製造施設は、Samsungの半導体事業所「Nano City Complex」に置かれている。同社は、Line-16の建設に12兆ウォン(約102億米ドル)を投じたという。Line-16の建設は2010年5月に始まり、その1年後には製造装置の設置が完了した。2011年6月には試験的に生産を開始している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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