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「Ultrabookは今後数カ月で普及価格帯に」、IntelのCEOが語るビジネスニュース 企業動向

これまでUltrabookは、小売価格の高さが普及のネックになっていると言われてきた。Intelは、機器メーカーが販売するUltrabookの機種を大幅に増やすことで、最終的にはUltrabookの価格を1000米ドル以下に下げたいとしている。

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 Intelの社長兼CEO(最高経営責任者)であるPaul Otellini氏は2012年4月17日、同社が提唱する超薄型/軽量のノートPC「Ultrabook」は、今後数カ月間のうちに普及価格帯で提供されるようになるとの見方を示した。

 Otellini氏は、Intelの2012年第1四半期決算のカンファレンスコールで、アナリストに対し「Ultrabookは現在、21種類以上の機種が販売されているが、その数は2012年後半には100機種以上に増える見通しだ」と述べた。

 同氏は、Intelが2012年4月初旬に、Ultrabookの推進に向け、過去10年で最大規模の広告キャンペーンを開始し、Intelプロセッサを搭載するUltrabookの需要拡大に対する取り組みを強化していることを明らかにした。なお、「Ultrabook」はIntelの商標登録である。

 Intelの投資事業部門は2011年、Ultrabookのコンセプトを継承した技術の開発を手掛ける新興企業を資金援助することを目的に、3億米ドルの基金を立ち上げている。

 Ultrabookはこれまで、小売価格の高さが普及のネックになっていると言われてきたが、現在は約1000米ドルに落ち着いている(ただし、これよりかなり高い価格で販売されているモデルも数機種ある)。Intelは、「最終的には、Ultrabookの価格を1000米ドル以下に下げたい」としている。

 Otellini氏はカンファレンスコールで、「Ultrabookの技術を推進し、さまざまな機能を搭載したシステムを提供する機器メーカーが増えることを期待している」と述べた。同氏は、「今後、これらの機器メーカーが販売するUltrabookの種類はさらに豊富になり、699〜1299米ドルの小売価格帯で提供できるようになるだろう」と予想した。

 「Ultrabookの価格が下がる要因とは何か」という質問に対し、Otellini氏は、「多くの機器メーカーが、多様な機能を搭載したさまざまなUltrabookを発売し、メーカー間の競争が進むことが最も大きな要因になる」と答えた。これが販売台数の拡大を後押しし、機器メーカーは競合優位性を打ち出すためにさらに価格低減に向けた取り組みを重ねることになるとみる。

 Otellini氏はその一例として、現在、台湾のASUSTeK Computerが投入しようとしているUltrabookを挙げた。同氏によるとその機種は、Intelとしては実現し得ると考えていなかった、500Gバイトの薄型HDDを内蔵するという。

 同氏はまた、Microsoftが近くリリースする予定の「Windows 8」に対応し、タッチスクリーンインタフェースを備えたUltrabookの量産体制の構築に取り組んでいることも明らかにした。Ultrabookがタッチスクリーンに対応するのは、今回が初めてとなる。最近までは、タッチスクリーンに対応すると、各システムの材料コストが約100米ドル上がるとされていた。

 「当社と機器メーカー、台湾メーカーがUltrabookの販売増強に向け、さまざまな努力を重ねた結果、実際に製造コストと販売価格が下がってきている」と同氏は述べている。

 Otellini氏はさらに、「2012年末には、販売されるノートPCの40%がUltrabookになるとみている。あらゆる状況から見て、それが可能だと確信している」と語った。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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