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「あの頃私は若かった……」、上司の昔話はどんどんしろ!いまどきエンジニアの育て方(3)(1/2 ページ)

「自分の若い頃の話をしても、若手には聞いてもらえない」――。ベテランエンジニアの皆さんの中には、そのように考えている方が多いのではないでしょうか。けれど、実はそうとも限りません。あるポイントさえ押さえて話をすれば、“上司の昔話”が若手エンジニアとの距離を縮めるツールになることもあるのです。

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「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧

 前回、松田課長から「上司の昔話をどんどんしろ!」というアドバイスをもらった田中課長。その後、佐々木さんとは話ができたのでしょうか。


昔話はどんどんしろ!

松田

田中課長、佐々木君とは話せましたか?


田中

ああ、松田さん。いや、まだできてないんだ。私の若い頃の話なんて、若手社員は誰も聞きたがらないんじゃないかなあ。


松田

上司がそう思ったら、若手はもっと話さなくなりますよ。失敗談とそこから何を学んだかで十分なので伝えてみたらどうでしょう? 以前、僕に話してくれた失敗談がありましたよね。その当時の上司の対応はいまだに忘れられないって。


田中

そうだった。あの時は上司のありがたみを感じたよ。失敗しても、「君は全力を尽くしたんだから」って。右も左も分からない駆け出しの自分を、そこまで見てくれてたんだと分かってうれしかったよ。


松田

それですよ。佐々木君は自分から質問をしないと言ってましたね。なかなか自分の胸の内を明かしてくれない若手もいるので、まずは田中課長が昔話をしゃべりまくればいいんです。成功談よりも失敗談の方がいいでしょうね。それから、どう乗り越えたかということも必要です。そこに、さっき話してくれた「見てくれている人は見ている」という安心感を入れるんです。


“共通項”を盛り込む

 皆さんの中には、“上司は部下の聞き役になるべき”と考えている方も多いかもしれません。一般的にはそれでもいいのですが、自分の考えを話すよう促されてもどのように答えたらよいのかを考え込んでしまう、いまどきエンジニアと向き合うときには、松田課長がアドバイスしているように、一方的に話してしまうのもアリなのです。

 ただし、その時に重要なのは、若手が「自分にもあるある……」と共感できること、いわば上司と若手の“共通項”を盛り込むということです。

 例えば、学生時代に、学園祭や合宿などで楽しさやつらさを共有すると仲間同士の距離がぐっと近くなった、という体験をしたことはないでしょうか。それと同じで、上司の体験が若手の体験とオーバーラップする話、あるいは若手がその場面を具体的にイメージできるような話は共感を生みます。

田中

なるほど、共通項か。


松田

そうです。何か思いつきますか?


田中

う〜ん……。そういえば、佐々木君はOJTで温度試験をやってるらしい。私も昔、温度試験をやってたけど、開発とは全然関係ないようなことをやらされてる気がして嫌だった。


松田

もしかしたら、佐々木君も同じ気持ちかもしれませんよ。それを話してみては?それが共通項になれば、世代の違う相手の話にも耳を傾けてくれると思いますよ。


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