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ルネサスがマイコンの製造をTSMCに委託、人員削減や工場売却は語らずビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

マイコン世界シェア首位のルネサスが記者会見を開催し、40nm世代のフラッシュ内蔵マイコンの製造をTSMCに委託すると発表した。国内では那珂工場に同世代のラインを構築しており、同工場での製造も続ける。週末に報道があった、1万数千人規模の人員削減については「決定した事実は無い」としかコメントしなかった。

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人員削減や工場売却については言及せず

 ルネサスをめぐっては、同社が全従業員の3割程度に上る1万数千人規模の人員削減を盛り込んだ経営再建策を銀行団に対して示しているとする報道が2012年5月26日の土曜日に流れていた(【参考】報道各社の関連記事:読売新聞ロイター時事通信社)。

 これに対し28日の記者会見でのルネサスの説明は、「それらの報道は、当社から発表したものではなく、決定した事実も無い。報道機関が調査や臆測に基づいて伝えている内容については、その真偽も含めて、当社からは一切コメントできない」(広報担当者)と述べるにとどまった。

 26日の報道では、ルネサスがシステムLSI事業で主力の生産拠点とする鶴岡工場(山形県鶴岡市)の売却が取りざたされており、その交渉先としてTSMCの名前も挙がっていた。これに対し28日の記者会見に登壇したTSMCのリン氏は、記者団との質疑応答の中で、「私は工場の取得についてコメントする立場にない。これはあくまでも一個人の意見であり、TSMCとしての見解ではない」と断った上で、「日本には優秀なエンジニアがいる。ビジネスとして成り立つのならば、可能性は否定できないのではないか」とコメントした(なおロイターは5月27日付の報道で、TSMC関係者が26日に取材に応じ、「購入する計画はない」と答えたと伝えている)。

 一方でルネサスの岩元氏は、「事業再建策については、社長が語ることであり、自分自身はその立場にない」と述べるとともに、今回のTSMCへの生産委託については、現在40nm世代の製造ラインを立ち上げている那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産能力だけで対応し切れない需要に応えるためだと説明し、まず自社工場(ここでは那珂工場を指す)の稼働率を維持することが前提になるとの認識を示した。

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