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国境を越えるとM2Mはつながらない? 1枚のSIMカードで問題解決無線通信技術 M2M(1/2 ページ)

普及が進むM2M通信には、弱点がある。通信規格や通信に対する規制が異なる国外では、接続できない可能性があるという点だ。長年、M2M通信サービスを提供しているTelenor Connexionは、「たった1枚のSIMカードがあれば、この問題を解決できる」と話す。

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 ネットワークを通して、人の手を介さずにさまざまな機器やデバイスを接続するM2M(Machine to Machine)通信。ここ数年、スマートメーターやスマートグリッド、スマートシティの導入をめぐる動きが活発になったことから注目度が高まり、今後はさらなる市場拡大が続くとみられる。M2Mなどの事業コンサルティングを行う英国のMachina Researchは、「M2Mを使った接続数は、2010年の時点では10億あまりだったが、今後は年平均成長率28%で成長し、2020年には約120億まで増加する」と予測している。M2M通信機能を備えた携帯電話機の販売台数も、確実に増加している(図1)。

M2Mの接続数M2M通信機能を搭載した携帯電話機の台数 図1 M2Mの接続数(左)とM2M通信機能を搭載した携帯電話機の台数(右)

 このように世界中に浸透しつつあるM2M通信だが、ここで問題になってくるのが、各国の通信キャリアごとに通信規格や、データ通信に対する規制が異なってくるという点だ。例えば、スマートフォンと自動車をM2Mネットワークで接続している場合を考えてみる。自宅にいる時は、スマートフォンを使ってバッテリの残量を確認したり、ヒーターの電源を入れたりできるが、欧州に住む人々のように、車で外国に出かけたとき、通信規格やデータ通信の規制が異なれば、同じように接続できるとは限らない。

 この弱点を克服するために、SIMカードを利用するという方法がある。例えば、日立建機は、海外の現場で使われている建設機械に、SIMカードを挿入したモジュールを搭載し、同社のデータセンターを介して遠隔地から保守/管理を行っている。

1枚のSIMカードでどこでもつながる

 ただし、SIMカードを複数の国で利用するには、ローミングができなければならない。そこに強みを持っているのが、長年M2M通信関連事業を手掛けてきた、スウェーデンのTelenor Connexion(以下、Telenor)である。欧州の大手通信キャリアのTelenor Groupを親会社に持つTelenorは、欧州やアジアを中心に世界中にネットワークを構築している。その他の地域においても多くのローミングパートナーを持っている。Telenorは、このように世界各国に張り巡らされたローミング網を利用することで、端末がどこの国で使われていようとTelenorのネットワークに接続できるというグローバルな接続サービスを提供する。

 例えば、同社が提供するSIMカードは、1枚で複数の通信規格をサポートするようプログラムできるので、国境を越えるたびにSIMカードを交換するといった手間がなくなる。Telenorは、SIMカードだけではなく、サーバー、端末の制御/管理を行うWebベースのサービスポータルなど、M2M通信機能の実装から制御までを包括的にサポートする。

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