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国境を越えるとM2Mはつながらない? 1枚のSIMカードで問題解決無線通信技術 M2M(2/2 ページ)

普及が進むM2M通信には、弱点がある。通信規格や通信に対する規制が異なる国外では、接続できない可能性があるという点だ。長年、M2M通信サービスを提供しているTelenor Connexionは、「たった1枚のSIMカードがあれば、この問題を解決できる」と話す。

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日産「リーフ」も採用

 TelenorのM2M通信サービスは、日産自動車やオムロン、Volvo、PND(Personal Navigation Device)を提供するオランダのTomtom、スウェーデンの警備会社Securitasといった多数の企業が採用している。

 先に挙げた日立建機もその1つだ。同社は、Telenorのローミング網を利用して、海外の現場で使用されている建設機械の位置情報や稼働状況、エンジンの状態といったデータを日立建機のデータセンターに送信している。従来は、衛星通信を利用していたが、Telenorのローミング網を使うことで、衛星通信が使えない国や地域で稼働している建機の情報も手に入れることができるようになったという。

 また、日産自動車は、同社の電気自動車「リーフ(LEAF)」にTelenorの通信モジュールを採用している。これにより、ドライバーは、スマートフォンを使って、車外からでもバッテリの残量を確認したり、エアコンをオンにしたり、充電ステーションを検索したりすることが可能になる(図2)。

日立建機日産自動車 図2 日立建機(左)と日産自動車の導入事例(右) 日立建機は海外の現場で使用される建設機械の遠隔操作に、日産自動車は「リーフ」とスマートフォンの連携に、それぞれTelenorのM2M通信サービスを採用している。

 Volvoは、車の盗難や事故といった緊急事態が起きた際、その車の位置情報や状況などのデータが専用のサーバーに送られる「Volvo On Call」というシステムを導入している。そのデータを送る際にTelenorのネットワークを利用することで、複数の国でVolvo On Callに対応できるようになったという。

日本市場での注力分野は“全て”

TelenorのFrederic Liljestrom氏
TelenorのFrederic Liljestrom氏

 Telenorの副社長を務めるFrederic Liljestrom氏は、“どこでもM2M通信を実現できる”というTelenorの強みを、日本市場でも十分に生かすことができると強調する(図3)。また、同社のマーケティング部部長であるGwenn Larsson氏は、「アジア太平洋地域におけるM2M通信機能を搭載した携帯電話機の台数は、現在は欧州や米州よりも低いが、2015年には米州をしのぎ、欧州と同等レベルになる」とし(図1右)、「だからこそアジア市場、とりわけ日本を重要視している」と語る。海外で事業を展開する日本企業も多いからだ。

 Liljestrom氏は、「日本市場では、ある特定の分野を狙うというのではなく、あらゆる分野をターゲットとしていく」とし、M2M通信サービスを包括的に提供しているノウハウを生かしていくと強調した。

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