HDDの売上高、タイの洪水乗り越え過去最高を達成:ビジネスニュース 業界動向
2012年第1四半期におけるHDDの売上高は96億米ドルに達し、過去最高を記録した。2011年にタイで発生した大洪水によりいくつもの製造工場が被害を受けるも、供給不足によって販売価格が上昇し、売上高が増加するという結果になった。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、2012年第1四半期のHDD市場の売上高は96億米ドルに達したという。2011年のタイの大洪水によってHDDが供給不足になり、平均販売価格(ASP)が上昇したことが要因だという。
2012年第1四半期におけるHDDの出荷数は1億4500万台だった。洪水の発生により、HDDやHDD関連部品の製造施設は閉鎖を余儀なくされたが、その直前の2011年第3四半期は1億7400万台であった。つまり、出荷数が減少したにもかかわらず、売上高は上昇したことになる。出荷数が洪水前の水準まで回復するのは、災害の発生からちょうど1年が経過する2012年第3四半期になる見込みだ。
IHS iSuppliでストレージ担当のアナリストを務めるFang Zhang氏は、売上高が増加した原因は、ASPが洪水前の51.49米ドルから66.28米ドルに上昇したことであると述べている。同社は、HDDのASPが洪水前の水準に戻るのは、出荷数の回復よりも遅く、2014年になるだろうと予想している。
Zhang氏は、「HDDのASPは、短期間では洪水前の水準まで戻らないだろう。2012年から2013年にかけて高い水準を維持するとみられる。これによって、HDD業界は、洪水後の損失をいくらか補うことができる」と述べている。
IHS iSuppliによると、2012年第1四半期の売上高は、これまでの最高記録である、2010年第1四半期の93億米ドルを上回った。
HDD市場では、全体の売上高のうちSeagate Technologyが46%を占めてトップに立っており、2位以下にWestern Digital(32%)、HGST(旧日立グローバルストレージテクノロジーズ)(11%)、東芝(11%)が続く。
【翻訳:平塚弥生、編集:EE Times Japan】
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