Samsungの「GALAXY Tab 10.1」、米国で販売差し止めへ:ビジネスニュース
Samsungのタブレット「GALAXY Tab 10.1」が、Appleのデザイン特許を侵害しているとして、米国で販売差し止め命令が下された。Appleの申し立てが認められた形となったが、Samsungは「今回のような訴訟が続けば、携帯端末におけるデザインの進歩の妨げになる」と主張する。
Reuters(ロイター通信)の報道によると、米連邦地裁は2012年6月26日、Samsung Electronicsが販売中のタブレット端末「GALAXY Tab 10.1」について、米国での販売差し止め命令を下した。Appleは、同製品について販売の差し止めを申し立てており、今回の判決はAppleの要求を支持した形となる。
米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁判事であるLucy Koh氏が下したこの判決は、世界で繰り広げられているスマートフォンとタブレットの特許係争で、Appleに大きな勝利をもたらした。
SamsungのAndroidベースのタブレット「GALAXY Tab」は、アジアを中心にAppleの「iPad」に並ぶ人気を博している。ただし、米国のタブレット市場では、Androidタブレットの人気はそれほどでもないようだ。なお、近年のタブレット人気を受け、MicrosoftとGoogleもタブレットを発売する(関連ニュース)。
今回の判決で、Android対Appleの争いが終わりを迎えるわけではない。判決が出された日のわずか4日前となる2012年6月22日には、米イリノイ州シカゴの連邦地裁が、AppleがGoogle傘下のMotorola Mobilityに対して起こした特許訴訟を棄却している。
おそらく、今後数カ月の間に、別の地域でもAndroid対Appleの争いが起こると予想される。
Lucy Koh氏は以前、AppleがGALAXYシリーズのタブレットとスマートフォンに対して販売差し止めを求めた訴えを却下している。これに対し、連邦控訴裁はKoh氏に審議のやり直しを命じていた。
Reutersによると、GALAXY Tabの販売差し止め命令は、Appleが260万米ドルを納めた時点から有効になるという。この260万米ドルは、後に今回の販売差し止め命令が不当であったと判断された場合にSamsungが被る損害に対する補償金である。
報道では、「Samsungは今回の判決に対し、ワシントンD.C.の米連邦控訴裁判所で上訴する」という見方が多い。なお、米連邦控訴裁判所は、知的所有権争いに対して独占的な裁判権を持つ裁判所である。
Samsungは、「Appleは、当社がAppleのデザイン特許を侵害しているとして、GALAXY Tab 10.1の仮差し止めを求めていた。だが、Appleが主張するデザイン特許は、Galaxy Tab 10.1のデザイン全体のたった1点にすぎない。Appleが、このような一般的なデザインに対して特許を主張し、今回のような訴訟を続ければ、携帯機器業界で革新的なデザインやデザインの進歩が制限されてしまう恐れがある」と述べている。
Appleは以前から、「Samsungの“あからさまな模倣”は間違っている」と主張していたが、今回の判決についてもこの主張を繰り返した。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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