2012〜13年は目が離せない!! 新たな社会インフラ導入へ無線技術の準備整う:無線通信技術 スマートメーター(5/7 ページ)
スマートグリッドやスマートハウスといった、新たな社会インフラを対象にした無線通信技術の準備が整い、2012〜2013年に掛けて、いよいよ機器開発の段階に移行しようとしている。キーワードとなるのは、「920MHz帯」、「IEEE 802.15.4g」、「Wi-SUN Alliance」、「ZigBee Smart Energy Profile(SEP) 2.0」、「ECHONET Lite」などだ。
「920MHz帯ZigBee」の策定が進行中
現在、OKIが屋内、屋外のさまざまな無線インフラの基盤になるとして注目しているのが、920MHz帯を使ったZigBee(ZigBee IP)である。
現在の2.4GHz帯を使ったZigBeeは、Wi-FiやBluetoothと同じ周波数帯を使うので、干渉の問題が発生する可能性がある他、サブGHz帯に比べると波長が短いため、比較的規模の大きな建物や障害物の陰などでは電波が届きにくいという懸念もある。こういった背景から、920MHz帯および、新たに策定されたIEEE 802.15.4g/eを物理層/MAC層に使うZigBee仕様に期待が掛かるわけだ。
ただし、これには新たな枠組みが必要になる。ZigBee Allianceがカバーする範囲は、ネットワーク構成(OSI参照モデル)でいうとネットワーク層以上の部分で、物理層とMAC層についてはIEEE802.15.4を採用している(現在、ZigBee Allianceの認証は、日本では2.4GHz帯のIEEE 802.15.4を使った場合に限られている)。このため、920MHz帯でZigBeeを製品化するには、ネットワーク層以上を取りまとめたZigBeeに合ったIEEE 802.15.4g/eを設定する必要がある。
既にZigBee Allianceでは、2012年2月ころから920MHz帯を使ったZigBeeの議論を本格的にスタートさせており、毎月の定例会で議題が進んでいるようだ(ZiBee SIG-JのWebサイト)。前述の通り、IEEE 8021.15.4g/eには選択できるオプションが幾つもある。ZigBee Allianceでは、想定する用途に合った物理層/MAC層の組み合わせを独自に設定し、相互接続のための認証プログラムを策定する計画である。なお、Wi-SUN Allianceも、さまざまな用途を想定し、IEEE 8021.15.4gをベースにした物理層/MAC層仕様(Wi-SUN仕様)の策定を進めている。どのような形でWi-SUN AllianceとZigBee Allianceのすり合わせが進むかは、現時点では不透明だ。
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