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「ルネサスの生産工場は買収しない」、TSMC会長が明言ビジネスニュース

ルネサスは、TSMCとの協業関係を拡大すると発表した。これを受けて、複数のメディアが「TSMCは、ルネサスの鶴岡工場を引き継ぐ」と報じたが、TSMCはこれを否定した。

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 台湾の通信会社であるFocus Taiwanは2012年7月4日、台湾の半導体ファウンドリ大手TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の会長であるMorris Chang氏が、「当社は、業績不振に陥っているルネサス エレクトロニクスのウエハーファブを買収する計画はない」と語ったと報じた。

 ルネサスは2012年5月28日に、マイコンの製造をTSMCに委託し、両社の協業関係を拡大すると発表した。具体的には、フラッシュメモリ内蔵マイコンに向けた40nm世代の半導体プロセスを共同で開発し、ルネサスが設計した同プロセスを利用したマイコンをTSMCが受託生産する。

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 これを受け、日本国内では複数のメディアが、「TSMCとルネサスは、ルネサスの鶴岡工場(山形県鶴岡市)と同工場の従業員約1400人をTSMCが引き継ぐという方向で交渉を進めている」と報じた。また、「ルネサスは、国内の生産拠点の半数以上を閉鎖または売却し、全従業員の30%に当たる約1万4000人を削減するという大規模な経営再建計画を固めている。その一環として、TSMCにファブを売却する」とも報じられている。

 ルネサスは、NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジを統合した新会社として2010年に設立して以来、赤字が続いている。同社は2012年7月3日、経営再建計画に関する会見を開き、早期退職優遇制度の実施によって従業員約5000人を削減する方針などを説明した。しかし、同社が今後、半導体市場でどのようなポジションを目指していくのかといった方向性や、製造委託を拡大する計画などは、具体的には示されなかった。


 Chang氏は、「当社は今後も、ルネサスに対して最先端の半導体製品を提供していく予定だ。だが、ルネサスのウエハーファブを買収する計画はない」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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