「MeeGo端末の存続を目指す」、Nokiaの元開発メンバーが新企業を立ち上げ:ビジネスニュース
NokiaのMeeGoスマートフォン「N9」の開発メンバーが立ち上げた新企業が、本格的に始動した。既に、中国の携帯電話機販売チェーンと、販売契約を取り付けている。
Nokiaのスマートフォン「N9」の開発を手掛けたメンバーが立ち上げた新企業「Jolla」が、本格的に始動する。N9は、モバイル機器向けのOS「MeeGo」を搭載したスマートフォンだ。Jollaは、MeeGo搭載スマートフォンの設計や開発、販売を手掛けるメーカーとして2011年に設立された。「Jolla」は、フィンランド語で「小型帆船」を意味する。
Jollaは、中国最大の携帯電話機販売チェーンであるD.Phone Groupとの間で販売契約を締結した。スマートフォンの販売台数が年間1億5000万台という中国市場に、本格的に参入することになる。
NokiaはN9を発表したものの、その後2011年にMeeGoからの撤退を表明、MicrosoftのモバイルOS「Windows Phone」に注力していくことを明らかにした。MeeGoは、Linuxをベースとしたオープンソースのモバイル機器向けOSで、幅広い機器への搭載が可能だ。
Jollaは現在、投資家やパートナー企業とともに新型スマートフォンを開発しており、2012年後半にも市場に投入される可能性がある。Jollaによると、「MeeGoは、Mer CoreやQt(フレームワーク)を採用したことで進化を遂げている」という。革新的なユーザーインタフェースなども搭載する予定だとしている。
NokiaのCEO(最高経営責任者)であるStephen Elop氏は2011年2月に、当時Nokiaが置かれていた状況について、「まるで石油プラットフォームが炎上しているかのようだ。従業員が、海に飛び込まざるを得ない状態に追い込まれている」と語っていた。「Jolla」という社名は、この発言にちなんでつけられたものと思われる。
JollaのCEOにはJussi Hurmola氏が就任し、チェアマンにはAntti Saarnio Sami Pienimaki氏が、販売およびビジネス開発部門担当バイスプレジデントにはStefano Mosconi氏、そしてCIO(最高情報責任者)兼COO(最高執行責任者)にはMarc Dillon氏がそれぞれ就任している。
Hurmola氏は、発表資料の中で、「Nokiaは、優れたスマートフォンを実現した。この(MeeGo)スマートフォンを存続すべく、MeeGo端末のサクセスストーリーに貢献した才能豊かなスタッフとともに取り組んでいきたい」と述べている。
Jollaの従業員は約50人。企業形成をサポートするプログラムの一環として、Nokiaから支援を受けているという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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