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半導体市場は停滞気味も、無線分野は好調ビジネスニュース 業界動向

成長率が鈍化している半導体市場の中で、無線分野は勢いがいい。2012年の成長率は、10.4%と2桁になる見込みだ。

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 米国の市場調査会社であるIHS iSuppliの予測によると、2012年の半導体部品の世界売上高は前年比で3%増加し、3208億米ドルに達する見込みだ。半導体市場全体では不調の年となる中、無線通信分野向け半導体市場の成長が目立つという。

 IHS iSuppliは、2012年の無線通信分野向けの半導体部品の売上高は、2011年の658億米ドルから10.4%増の726億米ドルに達すると予測している。その他の分野で好調なのは産業用エレクトロニクス分野で、売上高は7.7%増加すると予測されている。無線通信分野に迫る勢いがあるのは、この産業用エレクトロニクス分野のみだという。

 2012年の有線通信分野向け半導体の売上高は前年比でわずか0.7%増だった。家電分野向け半導体では1.3%増、車載エレクトロニクス分野向けは2.7%増と、それぞれわずかな成長が見込まれている。一方、データ処理とMCP(マルチチップパッケージ)メモリの2分野に向けた半導体の売上高は縮小し、前年比でそれぞれ1.9%減、17.9%減になると予想される。

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半導体の各分野における売上高成長率 出典:IHS iSuppli

 IHS iSuppliの半導体製造部門でディレクタ兼チーフアナリストを務めるLen Jelinek氏は、「半導体メーカーは、次世代の無線通信分野を見据えて、事業活動を行うべきだ」と述べている。

 現在の成長サイクルの勢いがどこまで持続するかというのは、この夏の世界経済の動向に依存している。また、夏が終われば、商戦期となるホリデーシーズン(米国では一般的に、11月第4木曜日の感謝祭からクリスマス明けごろまで)が控えている。このホリデーシーズンに消費者の購買意欲がどれだけ高まるかを予測するため、業界関係者は消費支出の動向を注意深く見守っている。2012年の残りの期間については、引き続き、在庫管理が半導体市場における最も重要な指標となる。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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