オリンピックは盛況も、テレビ業界は振るわず:ビジネスニュース オピニオン(1/2 ページ)
ロンドンオリンピックでは、スーパーハイビジョンや3Dで競技が放映されるなど、放送技術について新しい試みが行われた。だが、残念ながら、こうした放送技術が視聴者の注目を集めることはなかったようだ。
2012年のロンドンオリンピックは壮大なイベントとなった。素晴らしい選手たち、手に汗握る競技、記録的な数の観客……。しかし、残念ながら、最新の放送技術に関しては旋風が巻き起こることは一切なかった。
放送局にとっては、ロンドンオリンピックは、3D放送を広く行う初めての機会だった。例えば、米国の民放テレビ局であるNBCは、何と連日12時間、3D番組を放映した。また、スーパーハイビジョン(UHDTV:Ultra High Definition Television、8Kとも呼ばれる)を試験的に放送できるチャンスでもあった。しかし、米国市場では3Dテレビの実質的な売り上げの増加はいまだに見られない。同様に、UHDTVはメディアからそれほど注目されていない。このため、消費者は「UHDTVは一体何なのか?」と気にかけてすらいないようだ。
いまや米国の多くの消費者は、家庭に大画面のハイビジョンテレビ(HDTV: High Definition Television)を持っており、新しいテレビを欲しいとは思っていない。加えて、大画面の薄型テレビだけがオリンピックを観戦する画面ではない。iPadやスマートフォンがある。
テレビ業界において、オリンピック放送を新しい放送技術の“発射台”にすることは、もはや過去のものとなってしまった――。ロンドンオリンピックでは、それが証明されたのではないだろうか。2012年ロンドンオリンピックで、UHDTVと3Dテレビに一体何が起こったのか、より詳しく見てみよう。
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