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“蛾の目”がテレビの外光映り込みを低減――シャープが「モスアイ パネル」出展CEATEC 2012

テレビ視聴の妨げとなる“外光の映り込み”。これを防ぐ新しい液晶パネル技術「モスアイ パネル」をシャープがCEATECで参考出展した。“蛾の目”という自然の生体構造からヒントを得たというその技術とは?

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 シャープは、2012年10月2日から幕張メッセで開催している「CEATEC JAPAN 2012」で、外光の映り込みを防ぐ新しい液晶パネル技術「モスアイ パネル」を参考出展した。

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CEATECのシャープブース

 近年、テレビの大画面化とともに、照明や日光などがパネル表面に反射してしまう「映り込み」がテレビの高画質化での課題となっていた。今回シャープが開発したモスアイ パネルは、液晶パネルの表面に「モスアイ(蛾の目)構造」と呼ばれる微細な突起を施す低反射処理を採用。ノングレア(非光沢)など従来の低反射処理に比べて映像側の光の拡散は少なくしつつ、外光の映り込みを抑え、「艶やかで高コントラストな映像を実現する」(同社)新技術だ。同社の液晶テレビ「AQUOSシリーズ」にモスアイ パネルを採用した80V型/70V型/60V型の液晶テレビも参考出展されており、モスアイ パネルが商品化に近い技術であることもアピールしていた。

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 従来の低反射処理はマイクロメートル単位の凹凸で外光を拡散させることで反射を抑えていたが、映像側の光も同時に拡散してしまうため、黒が白っぽくなるなどコントラストの低下を招いていた。モスアイはその名の通り蛾(モス)の目を模したもので、光の波長よりも小さな微細突起が無数にある構造になっている。蛾はこのモスアイによって闇夜でもわずかな光を感知でき、月の光などがあっても目が光らない(反射しない)。この自然の生体構造を参考に、ナノメートル単位の微細の突起が無数にある構造をパネル表面に施すことで、外光の反射は抑えながらも映像側の光の拡散は最小限にとどめているというわけだ。

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 会場では低反射処理を施さないパネル、モスアイ パネル、従来の低反射パネルを並べて同じ映像での映り込みやコントラスト低下などを比較できるデモンストレーションを行っていた。

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 表面処理によって低反射を可能にするモスアイ パネルの技術は、テレビ以外にもガラスショーケースの映り込みなどにも応用できるという。会場ではガラス製のグラスや絵画などをガラスショーケースに入れてモスアイ処理有りとモスアイ処理無しでの比較も行っていた。

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左のガラス(モスアイ処理有り)は中のグラスがよく見えるが、右のガラス(モスアイ処理無し)では手のひらがくっきりと映り込んでいる

 「室内で使うレベルでは既に商品化段階の技術だが、ユーザーによっては屋外で使うなどヘビーユースでの要望もあり、まだまだ改善はしていく予定。近年は光沢(グレア)パネルが好まれる傾向もあるが、反射があるとせっかくの映像も台無し。一方でノングレアではコントラスト感がイマイチという声も多い。両方の課題を解決できるモスアイ パネルは、これからのテレビに欠かせない技術になると考えている」(同社)。

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