「iPad mini」の登場で、7インチタブレット市場は激戦区に:ビジネスニュース 業界動向
Appleが2012年10月23日に発表した「iPad mini」は、タブレット端末の市場規模を2倍にする――。米市場調査会社は、このように予測している。7インチ型ディスプレイを搭載するiPad miniの登場で同市場は競争が激化し、競合他社が、Appleが参入していない8インチタブレット市場に移行する可能性もあるという。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliは、「Appleの『iPad mini』の発売によって、7インチ型タブレット端末の市場規模は倍増する」という予測を発表した。IHS iSuppliがこの予測を発表したのは、Appleが7インチタブレットのiPad miniを発表する前のことだ。
IHS iSuppliは、「7インチタブレットの販売台数は、iPad miniの好調が期待されることも手伝って、2011年の1700万台から、2012年は3400万台に、さらに2013年には6700万台に急増する」と予測している。
IHS iSuppliでモニタ/タブレットリサーチ担当ディレクターを務めるRhoda Alexander氏は、「『iPad』、『iPad 2』、および第3世代のiPadで9.7インチタブレット市場のシェアを独占してきたように、Appleは7インチタブレット市場も独占する構えだ。iPad miniの登場によって、同市場は急成長すると予想されるが、他のメーカーはより激しい競争に直面することになる」と述べている。
7インチタブレットは、2012年におけるタブレット市場全体の28%を占めると予想される。この数字は2011年には24%だったが、2014年には33%に増加する見通しだ。ただし、Appleの新型コネクタであるLightningコネクタ向けの部品の供給不足などで、売り上げが多少制限される可能性もある。
Alexander氏は、「Appleがこうした部品の供給不足に関わる問題を早急に解決できれば、2013年の出荷台数と売上高は、現在の予測を大きく上回る可能性もある」と述べている。同氏は、特にアジア地域での需要が強いことを指摘し、「Appleが、製品の発売後に、アジア地域の需要に対応できるだけの供給を行えるのであれば、2013年の売上高は急増すると考えられる」と述べている。
「AmazonやSamsung Electronicsなど、既に7インチタブレットを発売している競合他社は、Appleが参入していない市場を求めて、8インチタブレットにシフトする可能性もある」とIHS iSuppliは予想する。なお、Microsoftが2012年10月に発表した、「Windows RT」と「Windows 8」をベースとしたタブレット「Surface」は、10.6インチディスプレイを搭載している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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