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「iPad」の投入サイクルは速すぎるビジネスニュース オピニオン

Appleは、第3世代iPadを発表した約半年後に第4世代iPadを発表した。半年という製品サイクルは、あまりにも短いのではないだろうか。

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 Appleは、タブレット市場における競争で勝ち続けるため、競合他社よりも速いサイクルで新製品を投入している。しかし、これは必ずしも良い事とはいえない。

 Appleは2010年に「iPad」を発売して以来、毎年新しいiPadを投入してきた。世代を重ねる毎に、新しいモデルはさらに熱烈に待ち望まれるようになった。また、新しいモデルでは、成熟した幅広い技術を活用することで、前世代のモデルと差異化を図ることもできた。

 Appleは、第3世代iPadを発表したわずか7カ月後に、第4世代iPadを投入した。

 新製品が約半年ごとに発表されるとなると、それはもう“iPad 2”でも“iPad 3”でもなく、単に“新しいiPad”である。Appleファンにとってさえ、Appleが言うところの「新しいiPad」のくくりが、既にあいまいになっていると感じる。

 「新しいiPad、もう買った? え〜っと、つまり、新しいiPadの次の新しいiPadってことだけど」といった具合である。

 さて、第4世代iPadでは何が新しくなったのだろうか。Appleによれば、第3世代に比べて、プロセッサとグラフィックスの性能を向上させたという。ただ、これではごく普通のPCの進化と変わりない。

 モバイルシステムで重要なのは、ネットワークの速度である。新型iPadは、Wi-Fi(IEEE 802.11n)やLTE(Long Term Evolution)に対応する他社の端末と肩を並べた。だが、Appleは、Samsung ElectronicsやLG Electronicsなどに比べると、最新の無線ネットワークの採用という点では後手に回っている。

 発表されたばかりの「iPad mini」では、AmazonやSamsungの後を追う形で、フォームファクタの小型化に取り組んだ。iPad miniはディスプレイが7.9インチで、超薄型/超軽量の端末だ。

 おそらく、新型iPadがこれほど速いサイクルで発表されるというのは、今回くらいしかないだろう。Appleは、新型iPadの投入サイクルを速めることで、市場とサプライチェーンに何が起きるのかを探りたいのではないか。

 Appleのマーケット担当を務めるPhil Schiller氏は、「当社のチームは技術の向上に全速力で取り組んでいる。そのペースは驚くべきものだ」と語っている。

 だが、そうした全速力のペースが持続可能か、あるいは本当に効果的であるのかについては疑わしい。

 今後、企業間の競争はさらに激しくなっていくだろう。同時に、製品間で差異化を図ることも難しくなっていくに違いない。

 何にせよ、iPadの製品サイクルが約半年というのはあまりに短い。このような極端に短いサイクルは、「iPhone」の場合は受け入れられないだろう。

【翻訳:平塚弥生、編集:EE Times Japan】

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