GLOBALFOUNDRIES、2013年1Qにも14nm FinFET品の試作用ウエハーを顧客に提供:ビジネスニュース 企業動向
GLOBALFOUNDRIESは、現在、14nm世代のFinFETプロセス技術「14XM」の開発を進めている。この14XMを適用したマルチプロジェクトウエハーを、早ければ2013年第1四半期から顧客に提供する見込みだ。同社は、20nmプロセス品の量産開始からわずか1年後となる2014年に、14XMプロセス品の量産も開始する予定だという。
GLOBALFOUNDRIESは、14nm世代のFinFETプロセス技術「14XM(eXtreme Mobility)」を適用した同社初のマルチプロジェクトウエハー(MPW)を、早ければ2013年第1四半期から顧客に提供開始する見込みだ。同社でワールドワイドマーケティング&セールス担当エグゼクティブ バイスプレジデントを務めるMike Noonen氏が明らかにした。
GLOBALFOUNDRIESは、14XMによる半導体チップの量産開始を2014年に予定している。これは、20nmプロセスの「20nm-LPM」による量産開始からわずか1年後に当たる。このことについて同社は、「平面型トランジスタに代えてFinFETを導入する上で、20nm-LPMのミドルエンド/バックエンドプロセス技術を再利用するので、容易に移行を進められる」と説明している。20nm-LPMから14XMに移行することにより、ダイサイズはほぼ同じでありながら、電力効率と性能の向上を実現できる見込みだという。
Noonen氏は、「14XMを適用したMPWは、2013年の第1四半期または第2四半期に顧客への提供を開始する予定だ。その後、このプロセスの採用を早期に検討する顧客により、テスト用チップの導入が進んでいくだろう」と述べている。なお、GLOBALFOUNDRIESは2012年9月に、14XM用の早期プロセス設計キット(PDK)の提供を開始している。
またNoonen氏は、「今後、14XMにおいてSOI(Silicon On Insulator)ウエハーを採用する予定はあるのか」という質問に対し、「14XMはバルクプロセスだ」と答えている。その上で同氏は、「当社には、他のプロセス技術でSOIウエハーを採用した実績がある。例えば、スイスSTMicroelectronicsとの間では、完全空乏型SOI(FD-SOI:Fully Depeleted SOI)に関する提携を行った。その後、同社とは28nm/20nmのFD-SOIプロセスにおける製造パートナーとして強力な協業関係を築いている。われわれは、あらゆる製造プロセスにおいて、今後市場をけん引するであろうリーダー企業と提携してきた」と述べている。
現状、FD-SOIプロセスでは平面型トランジスタを使用している。しかし、将来的にはSOIプロセスとFinFETプロセスは融合される可能性もある。これまでも、SOIの採用によってFinFETにおけるバラツキを低減することは可能なのか、あるいは14nmプロセスにおけるトランジスタ性能を高めることはできるのかといった議論がなされてきた。それらが可能になるとする見方がある一方、基板浮遊効果(FBE:Floating Body Effect)や自己発熱などの問題が生じる可能性を指摘する声もある。
Noonen氏によると、米ニューヨーク州マルタに建造されたGLOBALFOUNDRIESの工場「Fab 8」では、20nmプロセスの全工程に対応できるという。ただし、このFab 8において20nmプロセスによる製品の量産を既に開始しているかどうかについて、同氏は明らかにはしなかった。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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