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中国のスマートフォン市場で、NokiaとAppleがせめぎ合いビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

NokiaとChina Mobileは、TD-SCDMA対応のスマートフォン「Lumia 920T」を発売すると発表した。この提携により、Nokiaは、現時点でこの市場においてAppleよりも優位に立ったと言えるかもしれない。近く中国で「iPhone 5」を発売するAppleにとっても、China Mobileとの提携が成功へのカギになると考えられる。

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 Nokiaと中国の携帯電話事業者China Mobileは2012年12月5日、TD-SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)対応のスマートフォン「Lumia 920T」を発売することを発表した。このLumia 920Tは、中国で初めて「Windows Phone 8」を搭載した製品となる。また、TD-SCDMA対応品として中国で初めてWindowsを搭載した製品でもある。

 「TD-SCDMAに対応し、Windows Phone 8を搭載する中国初のスマートフォン」という事実は重要なことであるように思える。しかし、China Mobileとのビジネスにより、Nokiaが長く苦しんでいる業績不振から脱却できるほどのチャンスを得られるかどうかはまったく分からない。


Nokiaの「Lumia 920T」

 Nokiaは現在も慢性的なキャッシュフローの問題を解消すべく取り組んでいる。同社は2012年12月4日、ヘルシンキ郊外にある本社ビルを1億7000万ユーロ(約182億円)で売却し、そのビルを賃借することを発表した。

 NokiaのChina Mobileとの提携は、それなりに評価すべきものである。世界最大規模の携帯電話事業者であるChina Mobileは、中国で7億人近い加入者を擁するTD-SCDMAネットワークを運営しているからだ。また、China Mobileのユーザーのうち2億人以上が、携帯電話を毎年買い替えると言われている。

 中国の大手チップベンダーであるSpreadtrum CommunicationsのCEO(最高経営責任者)を務めるLeo Li氏によると、2011年のTD-SCDMA市場の出荷台数は5000万台近くに達したという。2012年の出荷台数は8500万台近くまで増加し、2013年には1億4000万台に伸びるとLi氏は予測している。

 ともあれ、NokiaはChina Mobileとの提携により、現時点で米Appleよりも優位に立つことができたと言える。

 現在、Appleは中国の通信事業者であるChina Unicom(加入者数2億3000万人)とChina Telecom(加入者数1億5000万人)を通して「iPhone」を販売している。AppleはChina Mobileとは提携していないのだが、今後の成長のためには同社ともぜひパートナーシップを組みたいと考えているであろう。なお、AppleとChina Mobileが提携していない理由は、China Mobileへの助成金に関して合意が形成できないからだとされてきた。

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